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笹本玲奈インタビュー/上

ミュージカル『マリー・アントワネット』でタイトルロールを演じる

真名子陽子 ライター、エディター


拡大笹本玲奈=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

 ミュージカル『マリー・アントワネット』が帝国劇場で上演されている(12月に名古屋公演、2019年1月に大阪公演が行われる)。『エリザベート』『モーツァルト!』を生み出したミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの歴史ロマン大作で、2006年に日本で初演を迎え、その後世界各地で上演。今回は楽曲が追加され、演出も新たに生まれ変わった「新演出版」となる。王妃マリー・アントワネットと庶民マルグリット・アルノー、二人の“MA”。フランス革命の中、交錯する二人の物語をベースに、マリー・アントワネットとフェルセンの恋を美しくロマンティックに描いている。

 タイトルロールのマリー・アントワネット役を花總まりとWキャストで演じる笹本玲奈に話を聞いた。役を作るうえで感じたことやシルヴェスター・リーヴァイの音楽のこと、そして花總まりのことなどを語ってもらった。

マリー・アントワネットのイメージを壊したい

――開幕しましたが、実際にマリー・アントワネット役を演じてみていかがですか?

笹本:最初はとても緊張して、ドレスを着て少し傾斜になっている舞台に立つことだけでいっぱいいっぱいだったのですが、少しずつマリーとして自然に舞台の上で呼吸ができているというか、無理なく生きられているなと実感できるようになりました。

――よく知られているマリー・アントワネットという人物を演じることの難しさや楽しさなどはいかがでしょう?

笹本:私の中で難しさと楽しさは一緒なんです。マリー・アントワネットと言えば、宝塚歌劇の『ベルサイユのばら』のイメージが強くて、マリー・アントワネットはこうじゃなきゃいけないというものがお客さまの中にあるのではないかと思います。もちろん私自身もありました。そういった意味での難しさやプレッシャーがあると同時に、そのイメージをこの作品のマリー・アントワネットを通して壊したい、壊していきたいとチャレンジする楽しみがあります。だから、難しさと楽しさが一緒なんです。

拡大笹本玲奈=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

――壊したいというのはご自身の中のイメージを?

笹本:私の中のイメージもそうですし、マリー・アントワネットをよくご存知のお客さまの中には、「マリー・アントワネットはこういうことはしないわ」と思う方もいらっしゃると思います。私もお稽古を始めた頃は、マリー・アントワネットだからこうしなきゃいけない、こういう言葉遣いや仕草はしないだろう、こういう声を出すのでは……というイメージがあったんです。でも、演出家のロバートさん、特に作曲家のリーヴァイさんが、そのイメージを壊させようという流れを作ってくださったというか……。

――その流れを作るというのは、何かおっしゃったりするんですか?

笹本:いえ、直接はおっしゃらず、音楽を通して細部まで指導してくださいました。イメージを壊すのはすごく大変でしたし、開幕してからもこの作品のマリー・アントワネットが伝えたいことをちゃんとお客さまへお伝えできているのかなという葛藤はありましたね。

――音楽を通して伝えられるんですね。

笹本:リーヴァイさんは耳が人よりもとても繊細で、そして天才的です。

――歌で分かるってすごいですね。

笹本:そうなんです。リーヴァイさんが今回の公演のために書かれた、「孤独のドレス」というマリーのソロ曲を、譜面通りのキーで歌うとすごく低かったんです。その低さだと私が思っているマリー・アントワネットの声に近づけないんじゃないかと思いました。高貴さや品の良さを出しづらいと思って、リーヴァイさんがお稽古のために来日されるまでは、キーをいくつか上げて練習していたんです。リーヴァイさんが来日されてオケ合わせをし、博多で舞台稽古をしている中で、「玲奈が歌うマリー・アントワネットはこのキーじゃない」とおっしゃったんです。初日の開幕直前、一時間半前に「僕が作ったオリジナルのキーで歌ってほしい」とおっしゃって……。

◆公演情報◆
ミュージカル『マリー・アントワネット』
2018年9月14日(金)~9月30日(日) 福岡・博多座
2018年10月8日(月・祝)~11月25日(日) 東京・帝国劇場
東京公演ホームページ
2018年12月10日(月)~12月21日(金) 名古屋・御園座
名古屋公演ホームページ
2019年1月1日(火・祝)~1月15日(火) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
大阪公演ホームページ
[スタッフ]
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ロバート・ヨハンソン
遠藤周作原作「王妃マリー・アントワネット」より
[出演]
花總まり/笹本玲奈(Wキャスト)、ソニン/昆夏美(Wキャスト)、田代万里生/古川雄大(Wキャスト)、吉原光夫 ほか
※田代万里生は福岡、東京のみ出演
〈笹本玲奈プロフィル〉
1998年ミュージカル『ピーターパン』で5代目ピーターパンとして舞台デビュー。その後数々のミュージカル作品に出演。アルバムもリリースしライブを行うなど、幅広く活動している。第32回菊田一夫演劇賞受賞、第15回読売演劇大賞優秀女優賞、杉村春子賞受賞。主な出演作品は、『ジキル&ハイド』『ミス・サイゴン』『マンザナ、わが町』『スクルージ』『レ・ミゼラブル』など。
笹本玲奈公式ホームページ

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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