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トロント映画祭に出品したG・ドランの危機管理

林瑞絵 フリーライター、映画ジャーナリスト

なぜトロントを選んだのか?

 さて、ドラン作品の肝心の評判だが、残念ながら今回も最初のガラ上映直後は、ネガティブな評価が目立った。「3500万ドル(約39億円)の予算と素晴らしい配役(ナタリー・ポートマン、キャシー・ベイツ、スーザン・サランドンなど)にもかかわらず、結果は期待外れ」「ドランの誤った歩み」「自分のパロディをしている」などなど散々な言われよう。室内劇のメロドラマはドランの十八番ではあるが、ナタリー・ポートマンに無駄な感情演技をさせたりと、少々、空回りドラマに見えたのは残念だった。でも毎回、『Mommy/マミー』並みの傑作を望むのは酷なことではあるだろう。それに、まだ29歳。ブレーキ全開で生き急がなくても良いのにな、とも思う。

 とはいえ、思うに今回ドランは、

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筆者

林瑞絵

林瑞絵(はやし・みずえ) フリーライター、映画ジャーナリスト

フリーライター、映画ジャーナリスト。1972年、札幌市生まれ。大学卒業後、映画宣伝業を経て渡仏。現在はパリに在住し、映画、子育て、旅行、フランスの文化・社会一般について執筆する。著書に『フランス映画どこへ行く――ヌーヴェル・ヴァーグから遠く離れて』(花伝社/「キネマ旬報映画本大賞2011」で第7位)、『パリの子育て・親育て』(花伝社)がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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