メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

『まんぷく』に美味しそうなものが出てこないワケ

青木るえか エッセイスト

『まんぷく』拡大『まんぷく』の公式サイト(NHK)より

 引き続き『まんぷく』に出てくる食べ物を観察しております。

 今週もラーメンが出た。いずれこれが「萬平さんのインスタントラーメン開発」につながるのだから重要だ。

 インスタントラーメン、というと思い出すことがある。今から40年ぐらい前の『暮しの手帖』の記事だ。商品テストではなく、「インスタントラーメンもわりといいもんだよ」みたいな切り口の記事。

 花森安治時代の『暮しの手帖』には、ゴリゴリのハードな商品テストと並んで「こんなもんもええやおまへんか〜」的にゆる〜く新製品や便利グッズをお勧めする、というページもあり、花森安治&暮しの手帖を論じるならそっちの側面もぜったい見落としてはいけないと思うのだが、まあそれはおいといて。……そのインスタントラーメンおすすめ記事では、まず町の人の「インスタントラーメンに対する声」を拾って載せるという構成になっていた。

 当時は、『明星チャルメラ』『出前一丁』『サッポロ一番』などの袋麺全盛で、まだカップヌードルは出ていないか、いや出始めの頃か……そんな時期の話だ。インスタントラーメンというものはちゃんとした食事ではなくて、あれを食事にするなんてのは、白い眼で見られるようなことで、でもわりと美味しいからつい食べちゃうよ!って感じで、子どもや若者、忙しいお母さんや会社帰りのお父さんなんかが「えー、わりと好きです(テヘ)」などと述べていた。

 その中で一人、初老の女性が「ずいぶん前に食べたことがございますが、みなさんよく召し上がりますねあんなもの」と吐き捨てるように言っていたのだ!

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

青木るえかの記事

もっと見る