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高畑勲監督の原点『太陽の王子』の現場を熱く語る

東京国際映画祭特別上映会、小田部羊一氏×吉村次郎氏トークショー

叶精二 映像研究家、亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師

編集室拡大東映動画の編集室=1958年

テレビ全盛直前、最後にちゃんとした作品を

 撮影のチーフを務めた吉村次郎氏は、高畑監督の知られざる新人時代のエピソードから当時の映画界の状況までを語った。

 タイトル(オープニング)を見て、50年経って一緒に仕事をした人たちが随分いなくなったんだなぁと思いました。当時、撮影部の年齢は全員20代でして私が一番年寄りでした。ですので、やりたいことができなかった。失敗とは言いませんけど、「もっとできた」「もっとやりたかったな」という思いが画面のなかにたくさん出て来て、悔しいような感じも少し残りました。

 パクさん(高畑勲監督の愛称)は1959年(東映動画)入社、私はその2年後に入りまして技術課に所属しました。パクさんは

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筆者

叶精二

叶精二(かのう・せいじ) 映像研究家、亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師

映像研究家。亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師。高畑勲・宮崎駿作品研究所代表。著書に『宮崎駿全書』(フィルムアート社)、「『アナと雪の女王』の光と影」(七つ森書館)、『日本のアニメーションを築いた人々 新版』(復刊ドットコム)、編著に『ルパン三世 PART1 絵コンテ集 「TV 1st series」秘蔵資料コレクション』(双葉社)、共著に『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店)、『マンガで探検! アニメーションのひみつ』(全3巻、大月書店)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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