勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
次の時代も「みんな一緒」の休み方を続けるのか
来年2019年は天皇が交代し、元号が変わる年です。新天皇の即位を祝うために政府は5月1日を祝日にする方針で、そうなると祝日法によって前後の4月30日と5月2日も休みになるため、ゴールデンウィーク(GW)が10連休になりそうだというニュースが舞い込んできました。
超大型連休が設定されると聞けば喜ぶ人も多いだろうと思うのがこれまでの常識でしたが、実態は必ずしもそうではないようです。
では10連休を必ずしも喜べないのはどのような人たちでしょうか? 一つは、先進国で増加傾向にある第3次産業(サービス業)従事者でしょう。彼等は勤務日がシフト制で決まっている職場も多く、「国民の祝日が増えても自分には関係無い」というのは分かります。
日本にはいまだに長時間労働が蔓延しています。「仕事の分量が圧倒的に多くて、とてもじゃないが10日間も休めない」という人が10連休を歓迎しないのも頷けます。メディアや広告代理店やコンサルティング等、マンパワー型のビジネスを展開する企業に多いでしょう。
また、私のようにフリーランスでそもそも休みを自由に設定出来る人も、あまり国民の祝日は関係ありません。予め仕事を調整しておくことで、自由に連休を作り出すことが出来るからです(もちろん取引先の関係上それが出来ないフリーランスの人もたくさんいます)。
ところが、10連休に対して、「嬉しい」でもなければ、「関係無い」や「別に嬉しくない」でもなく、「億劫だ」という話を頻繁に耳にするのです。
そのような声が少数派なのかどうかが気になり、Twitterでアンケートをしてみました。Twitterなので統計としての信憑性はさほどありませんが、たとえ一部の人々の声だとしても、「嬉しい」を抑えて「億劫」が最多という結果になったのは大変驚くばかりです。
政府は来年のGWを10連休にする方針のようですが、これを聞いたあなたの率直な感想は?
— 勝部元気 Genki Katsube (@KTB_genki) 2018年10月17日
確かに、小泉政権以降増加した派遣社員等の非正規雇用労働者にとっては、労働日数の減少は収入の減少に直結する死活問題です。以前、エキサイトニュースで「プレミアムフライデーは格差を拡大させる『官制賃下げ』」という記事を書いたのですが、正社員との格差を更に広める休みの増加に、彼等が「やめて欲しい!」というのも理解出来ます。
ですが、どうもシフト制のサービス業でも、自由度の高いフリーランスでも、非正規労働者でもない人たちからも、連休を歓迎しない声が聞こえます。これはいったいどういうことか想像出来るでしょうか?
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