メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

古川雄大インタビュー(下)

ミュージカル『マリー・アントワネット』、フェルセン伯爵役で出演中

真名子陽子 ライター、エディター


古川雄大インタビュー(上)

分からないところがたくさんあった

拡大古川雄大=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影/ヘアメイク:サトウアツキ/スタイリスト:吉野誠

――フェルセンはなぜマリー・アントワネットに惹かれるのか。マリー・アントワネットの魅力はどう感じていますか?

古川:最初、仮面を被った状態で出会いますが、単純に外見に惹かれたと思うんです。けれど接していくうちに、周りから聞くマリーと実際のマリーが別人のように違っていて、そのギャップにも惹かれたと思います。人として可愛らしいところや尊敬できるところ、いろんな面も持っていたからじゃないかなと思いますね。

――フェルセンから見たマルグリットはどういう存在なんでしょう?

古川:それは僕も一番悩んだところです。フェルセンはマルグリットがパーティーに乱入してきたところで何かを感じ取るんです。革命を見てきたフェルセンがこれから民衆の代表となる人物なんだろうなと感じ取る。そして次のシーンでは街中でマルグリットが逮捕されそうになるシーンに出くわすのですが、僕はマルグリットを探しに来たのかなと捉えたんです。そこでフェルセンはマルグリットを助け貸しを作る。その後、彼女が実際にリーダーとして民衆を率いていることに気づいてしまう――マリーと面影が似ているという流れも分かるのですが、僕は革命を先導していく人物じゃないかという、どちらかというとマルグリットに悪い予感を感じています。

――なるほど。

古川:そして後半はマリーを助けたいという思いでマルグリットを上手く利用したいと考える……本当は違うかもしれませんが、僕はそう捉えています。マリーと似ているから何かを感じるという見方もあるのですが、そうは思わなくて……。でも彼女が掲げる“正義はこれでいいのか”という問いは、フェルセンの本心でもあるんです。言い方は悪いですが、マリーを助けるために利用できるんじゃないかと感じて接しています。

――そうなんですね。後半につれてフェルセンはマルグリットを理解していくように見えました。

古川:理解はしていないと思っています。距離が近くなっていくようだけど離れている。マリーとの間を取り持つ存在だけど、やはりそこは利用しようとしているんですよね。父親が一緒なんじゃないか、血が繋がっているんじゃないかという少しファンタジーなところも、捉え方がとても難しいです。「なぜ路上で暮らしているの」と聞くセリフも、革命を見てきた人が貧民に対して言うセリフじゃないですよね。そういう細かいところで分からないところがたくさんあったのですが、そのセリフも「君みたいな人が、なぜ路上に暮らしているの」と捉えたら少しずつ理解できていきました。

――ああ! なるほど。

古川:マリーと似ていると感じながら、「リーダーとして立っているけど、君の正義はそれで合っているのか」と問いかけながら、マリーを救うための手段として利用したいという思いもあり、しかし一方で二人が理解し合ってほしい、二人の間を繋ごう――いろんな思いがあるんです。 

◆公演情報◆
ミュージカル『マリー・アントワネット』
2018年9月14日(金)~9月30日(日) 福岡・博多座
2018年10月8日(月・祝)~11月25日(日) 東京・帝国劇場
東京公演ホームページ
2018年12月10日(月)~12月21日(金) 名古屋・御園座
名古屋公演ホームページ
2019年1月1日(火・祝)~1月15日(火) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
大阪公演ホームページ
[スタッフ]
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出:ロバート・ヨハンソン
遠藤周作原作「王妃マリー・アントワネット」より
[出演]
花總まり/笹本玲奈(Wキャスト)、ソニン/昆夏美(Wキャスト)、田代万里生/古川雄大(Wキャスト)、吉原光夫 ほか
※田代万里生は福岡、東京のみ出演
〈古川雄大プロフィル〉
長野県出身。俳優・ミュージシャンとして活動中。主な出演作は、『モーツァルト!』『黒執事 -Tango on the Campania-』『レディ・ベス』『ロミオ&ジュリエット』『1789 -バスティーユの恋人たち-』など。2018年2月に9年ぶりにアルバム『F coat』をリリース。TBS系ドラマ『下町ロケット』にも出演中。2019年2月からミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で3度目のロミオ役が控えている。芝居と音楽を両輪に独自の進化を続けている。
古川雄大ホームページ

・・・ログインして読む
(残り:約1545文字/本文:約3411文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

真名子陽子の記事

もっと見る