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稀勢の里よ、これ以上の休場は許されない

岸田法眼 レイルウェイ・ライター

稀勢の里拡大来年初場所でいよいよ進退が問われる稀勢の里

 久々の日本出身横綱として、大いに期待された第72代横綱稀勢の里。しかしながら、2017年春場所13日目の第70代横綱日馬富士戦で、左肩から胸部にかけての重傷が大きく影響し、以来、同場所の優勝を除き横綱としての責任を果たすことができていない。専門家や相撲ファンも業を煮やす状況だ。私も好角家のひとりとして、稀勢の里について、あらためて述べさせていただきたい。

上体だけで相撲をとっている状態

 先場所は休場明けながら、10勝5敗。横綱として最低限の成績を残し、15日間の死に物狂いの相撲には、観客が大いに酔いしれた。

 だが、土俵際の“神業”で勝った相撲も何番かあり、“守りの相撲”でしのいだ感がある。

 今場所前は、稽古充分で身体の仕上がりに自信があるのか、それとも2018年に優勝をしていない横綱が稀勢の里だけという焦りなのか、メディアにまさかの優勝宣言をして初日を迎えた。

 しかし、フタを開ければ、初日から4連敗。11勝4敗の幕内最高優勝は過去3回あるとはいえ、今の稀勢の里に11連勝する力はない。

 今場所の相撲を見ると、先場所と同様に上体だけで相撲をとっており、腰高が目立った。下半身の動きもおぼつかない。上体の力だけでカバーするつもりだったのだろうか。これでは立ち合いに変化されたら確実に星を落とす。また、相撲の流れで、はたきや引き技にもついていけないことが、容易に想像がついた。

 初日から3日目まで、「攻めたいのか、守りたいのか」、「押し相撲でいきたいのか、四つ相撲でいきたいのか」、理解に苦しむ中途半端な相撲だった。4日目の栃煌山戦では、がむしゃらに前へ出て勝ちにいったが、土俵際のすくい投げに屈した。上体と下半身のバランスがかみ合わなければ、相手にスキを与えてしまうのだ。

 5日目、ついに休場。稀勢の里は初日の小結貴景勝戦で右ひざを痛めたという。それならば、2日目から潔く休場し、治療に専念すべきであったろう。休場が遅れたことで、症状の悪化が心配される。

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筆者

岸田法眼

岸田法眼(きしだ・ほうがん) レイルウェイ・ライター

2007年1月にライターデビュー。旅、鉄道、小説、時事問題、プロ野球、大相撲、平和などをテーマに執筆。『TRAIN MODELING MANUAL』(ホビージャパン)、『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)、『鉄道ファン』(交友社)、『ハフポスト日本版』などに寄稿している。