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二人の関係を決定づける東日本大震災

 ともあれ、そこで4人は、自らの思いを表面的ではない言葉で言い表そうとするので、彼女、彼らの心理的な距離は縮まることになる。したがってこのシーンは、物語の大きなプロットポイント/転回点ともなる(朝子は、その場をとりなす亮平の姿を見て、それまで知らなかった彼の人柄の一端に触れる)。

 事実、このシーンをきっかけに、マヤと串橋は付き合い始め、結婚する(二人が結婚に至る直接的な描写はいっさい省かれるが)。そしてマヤに媒介されたかたちで、朝子と亮平の関係もこのシーン以後徐々に変化し始め、やがて発生する東日本大震災が、二人の関係を決定づけることになる。 ・・・ログインして読む
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筆者

藤崎康

藤崎康(ふじさき・こう) 映画評論家、文芸評論家、慶応義塾大学、学習院大学講師

東京都生まれ。映画評論家、文芸評論家。1983年、慶応義塾大学フランス文学科大学院博士課程修了。著書に『戦争の映画史――恐怖と快楽のフィルム学』(朝日選書)など。現在『クロード・シャブロル論』(仮題)を準備中。熱狂的なスロージョガ―、かつ草テニスプレーヤー。わが人生のべスト3(順不同)は邦画が、山中貞雄『丹下左膳余話 百万両の壺』、江崎実生『逢いたくて逢いたくて』、黒沢清『叫』、洋画がジョン・フォード『長い灰色の線』、クロード・シャブロル『野獣死すべし』、シルベスター・スタローン『ランボー 最後の戦場』(いずれも順不同)

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