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石飛幸治×澤井俊輝×久保優二×千葉健玖/上

新進演劇人育成公演[俳優部門]『Happy Families』

真名子陽子 ライター、エディター


拡大左から、石飛幸治、久保優二、澤井俊輝、千葉健玖=伊藤華織撮影

 文化庁・日本劇団協議会は、スタジオライフ制作協力のもと、日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演[俳優部門]として、『Happy Families』を上演する(12月13日(木)~12月23日(日) 東京・ウエストエンドスタジオ)。

 『Happy Families』はスタジオライフ公演として過去2回上演している。登場人物は7人のみで、24時間の間に起こった出来事をロンドンの高級住宅街の1室を舞台に、ワンシチュエーションで見せる作品。スタジオライフの初演から出演している石飛幸治と今回初挑戦となる澤井俊輝、久保優二、千葉健玖に、堅苦しいインタビューではなく、石飛を中心にざっくばらんに作品について語ってもらった。

育成公演の謎が解けた

――『Happy Families』は再演なんですよね。

石飛:これまでスタジオライフで2回やらせていただいていますが、今回は文化庁委託事業の演目として上演します。新進演劇人育成公演というと若手ばかり出演する公演というイメージですが、実はそうでもないんだよね。若手とベテランが一緒に創作することで若手の成長を促す、というのが、この事業の在り方だそうです。倉田さんがそれだったら『Happy Families』は作品として最適なんじゃないかと言って今回の公演につながったんです。個人的にはもう、上演することはないのかなと思ってたんだけどね。

久保:じゃあ、『Happy Families』をこの事業としてやるのは、今回が初めてなんですね。

石飛:そう、初めて。スタジオライフは特殊で、割と早い段階で大きな役が付いたりするし、劇団内では新人公演もしてるけど、育成公演はまた別の趣旨を持った公演だからね。

澤井:そうですね。新人公演と育成公演が頭のなかでごっちゃになってしまっていて、キャスティングされたときに、入団して5~6年経ってるけど、なぜ新人公演に出るんだろう思ったんです。

久保:思いましたね。今日、謎が解けました。そういうことなら、僕らもまだまだ先輩たちから学ばせていただきたいことばかりなので、こういう公演は本当にありがたいです。

LGBT、まだ今の社会に浸透していないと感じる

拡大左から、石飛幸治、久保優二、澤井俊輝、千葉健玖=伊藤華織撮影

石飛:スタジオライフでは、心の奥を見るような作品や『アンナ・カレーニナ』のような難しい作品をたくさんやっているけれど、今回の『Happy Families』のように1つの空間だけでやるワンシチュエーションの芝居はあまりやったことないよね?

千葉:ないですね。だからすごく楽しみなんです。

石飛:この作品はLGBTを題材にした作品で、初めて上演したときは少し早すぎたのかなと思ってたんだよね。今回改めて台本を読んで、今の時代に通じる話だと感じた。

久保:やっとメディアでもLGBTを取り上げられるようになって世間に浸透されつつあるけれど、僕も最近知ったんです。聞いたことがある人はたくさんいると思うんですけど、LGBTの本質や起きている問題、考えていかなきゃいけない問題が浸透しているかと言うとそうでもないと思うんです。僕は今回、ゲイの役をさせてもらいますが、ゲイとおかまとおネエの違いはなんとなくわかるけれど、明確な違いは人それぞれの解釈になっちゃうんですよね。ゲイの方が、僕らはおネエではないし、オカマでもない。好きな人が男の人というだけでみんなと同じ人間なんだ。一括りにして自分たちとは違うという目で見ないで欲しいとSNSなどに書いているんです。

石飛:すごい、いろいろ調べてるんだね。

久保:まだ今の社会に浸透していないんだなと感じます。そういう風に見られてしまうことが嫌な人もいれば、気にしない人もいる。今回、台本を読んで感じたのは、ちゃんとそれぞれが1人の人間として愛を持って生きているし、人と関わろうとしている。僕たちと同じで、今を生きているんですよね。観ていただけるなら、自分と違う人間という枠で観るのではなく、一人の人間として感じていただけたらいいなと思っています。……ちょっと回りくどくなってしまったけど(笑)。

(一同笑)

久保:まとめると! 今回の芝居を観ていただけたら、人との接し方や考え方、行動が変わってくるんじゃないかなぁと思いますし、そういうことを考えながら観て欲しいなと思っているところです!

◆公演情報◆
『Happy Families』
文化庁委託事業/平成30年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演[俳優部門]
2018年12月13日(木)~12月23日(日) 東京・ウエストエンドスタジオ
公式ホームページ
[スタッフ]
作:デボラ・ラヴィン
翻訳:河内喜一朗/スタジオライフ
上演台本・演出:倉田淳
[出演]
澤井俊輝◎、久保優二◎、千葉健玖◎、吉成奨人、若林健吾、曽世海司、楢原秀佳、石飛幸治(以上スタジオライフ)、鈴木智加寿(MC企画)◎、相馬一貴(演劇集団円)◎、高尾直裕(劇団ひまわり)◎、坂本岳大
◎=育成対象者
〈石飛幸治プロフィル〉
スタジオライフシニア(1991年入団)。劇団の作品を中心に、ミュージカル「レ・ミゼラブル」など外部の舞台にも多数出演している。スタジオライフでの出演作品は『BLOOD RELATIONS血のつながり』『トーマの心臓』『PHANTOM -THE UNTOLD STORY』など。
〈澤井俊輝プロフィル〉
スタジオライフ第十一期生(2012年入団)。スタジオライフでの出演作品は、『はみだしっ子~in their journey through life~』『カリフォルニア物語』『エッグ・スタンド』『訪問者』『アドルフに告ぐ』など。
〈久保優二プロフィル〉
スタジオライフ第十二期生(2013年入団)。スタジオライフでの出演作品は、『はみだしっ子~in their journey through life~』『アンナ・カレーニナ』『DRACULA~The Point of No Return~』『エッグ・スタンド』『DAISY PULLS IT OFF』など。
〈千葉健玖プロフィル〉
スタジオライフ第十二期生(2013年入団)。スタジオライフでの出演作品は、『はみだしっ子~in their journey through life~』『カリフォルニア物語』『DRACULA~The Point of No Return~』『卒塔婆小町』『THE SMALL POPPIES』など。

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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