勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
業界が悪いのではなく国民気質が原因では?
近年、邦画(日本の映画)は、漫画が原作の作品が非常に多くなっていると言われています。たとえば、2018年には以下のような漫画原作の邦画が誕生しました。厳密な統計があるわけではないのですが、これらはあくまで一例に過ぎないことを考えると、増加傾向にあることは事実のような気がします。
『咲-Saki-』『不能犯』『羊の木』『リバーズ・エッジ』『坂道のアポロン』『ちはやふるー結びー』『曇天に笑う』『いぬやしき』『ママレード・ボーイ』『となりの怪物くん』『恋は雨上がりのように』『BLEACH』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『響-HIBIKI-』『あのコの、トリコ。』『ビブリア古書堂の事件手帖』『春待つ僕ら』『ニセコイ』
また、2019年にも『翔んで埼玉』『キングダム』『アルキメデスの大戦』『地獄少女』『ヲタクに恋は難しい』等の実写化が決定しており、漫画を実写化した映画が続々と生まれる傾向は今後も続きそうです。
その一方で、実写化が決定した際、漫画原作のファンだった人々からは、選ばれたキャストや世界観の描き方に対して、「原作イメージと全然違う!」という嘆きや不満の声が吹き上がることが少なくありません。
そのイメージの乖離に対して、「原作レイプ」という俗語すら生まれています(※ただし、「レイプ」という重大な人権侵害の行為を安易に比喩として用いることは不適切だと思いますし、そもそも原作者と合意のある実写化映画と異なり実際のレイプには合意が無く、例えとしても不適格なので、この言葉は使用するべきではないと考えています)
もちろん、原作ファンが「こうあって欲しい」と望んだものを全て忠実に再現することが必ずしも正解ではありませんし、作品に対して「こうあるべきだ!」という要望があまりに膨らみ過ぎるのは、ある種自分勝手な側面もあると思います。ですが、私のように漫画をほとんど読まない人間から見ても、彼等の言う通り、邦画の実写化は原作イメージとかけ離れたキャストが選ばれることが非常に多いのは間違いありません。
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