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漫画の実写化が原作イメージを破壊する本当の理由

業界が悪いのではなく国民気質が原因では?

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

製作サイドが世界観よりも優先しているもの

 なぜ、日本で原作とイメージがかけ離れた実写化がなされるのか、その理由の一つとしてよく言われているのが、映画界の業界構造です。実写化の中心となる製作委員会は、映画会社、広告代理店、テレビ局、新聞社等が資金を出資しているために、多くの「利権」が絡んでいると言われています。

 そのため、原作イメージの世界観の再現よりも、なるべくリスクを避けた上でヒット作にすることに重点が置かれ、とりあえず飛ぶ鳥を落とす勢いのある売れっ子俳優を起用するという判断に傾くようなのです。

 実際に、冒頭であげた2018年の実写化映画のキャストを見ると、男性俳優であれば、吉沢亮氏、山崎賢人氏、菅田将暉氏等、女性俳優であれば、玉城ティナ氏、土屋太鳳氏、小松菜奈氏等と、同じ俳優が何作も登場していることが分かります。確かに、人気俳優を起用すれば、TVの芸能ニュースや「モデルプレス」等のネット芸能ニュースサイトで大々的に取り上げてもらえる機会が増えるので、良いPRになります。

 また、大手芸能事務所がキャストに対する影響力を持っていることも、原因の一つと言われています。事務所側がヒットしている俳優や、これから売り出したい俳優をゴリ押しするという話はよく聞きます。場合によっては、監督等の制作側がキャストを選ぶよりも前にキャストが決まってしまうことすらあるようです。

映画視聴者の多数派は原作無視でもOK ・・・ログインして読む
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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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