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クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』の勝因

印南敦史 作家、書評家

リアルタイム世代と若い世代が共存

 『ボヘミアン・ラプソディ』は、現在もなお大ヒット記録を更新中である。私も公開前から、ユーチューブにアップされたトレーラー動画を繰り返し見て公開を心待ちにしていたので、そのことは十分に理解できる。

 ただ正直なところ、ここまでの大ヒットになるだろうとは思ってもいなかった。もちろん、私のようなクイーン原体験世代の間では大きく盛り上がるだろうと予測はついていた。しかし、「それ以上」の高評価につながるとは考えもしなかったのだ。

 私が観たのは、公開から数週間後のことだった。それは平日13時ごろからの回だったし、都心は混む可能性があると思ったから、あえて郊外のシネコンを選んだ。早い話が、週のどまんなかの平日昼間に、郊外まで観にくる人なんてそれほど多くはないだろうとたかをくくっていたのだ。

 しかし、予想は大きくはずれた。席に着いたときには空席ばかりだったので「あー、やっぱりな」と思ったのだが、開始直前にはほぼ全席が埋まっていたのである。

 しかも、ざっと見渡す限り、こちらの予想に反して年齢層が幅広い。

 すぐ横に同世代くらいの夫婦がいたり、斜め前の席に60代くらいのおじさん3人が仲よく座っていたり(微笑ましい光景であった)と、そのあたりまでは想像の範囲内である。ところが原体験世代のみならず、明らかにクイーンのことを知らないであろう20代の若者もあちこちに見えたのだ。

 だから少し意外に思ったのだが、よくよく考えてみればそれは当然のことでもある。なぜならクイーンには、その足跡を追った『ボヘミアン・ラプソディ』には、評価されてしかるべき要素がたくさんあるからだ。

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筆者

印南敦史

印南敦史(いんなみ・あつし) 作家、書評家

1962年東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ダ・ヴィンチ」「ライフハッカー(日本版)」「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.JP」「WANI BOOKOUT」など、紙からウェブまで多くのメディアに寄稿。著書に『遅読家のための読書術 情報洪水でも疲れない「フローリーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)ほか多数。新刊は『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)

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