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曾我泰久インタビュー/上

ミュージシャンとして役者として、「やりたい企画がたくさんある」

真名子陽子 ライター、エディター


拡大曾我泰久=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

 シンガー・ソングライターで俳優でもある曾我泰久に話を聞いた。11歳のときにジャニーズ事務所に所属し、その後、野村義男らと組んだバンドTHE GOOD-BYEでメジャーデビュー。その後、ミュージシャンとして活動しながら、『イカれた主婦』でミュージカルデビューを果たす。ジャニーズ事務所から独立した後も、ソロ活動をしながらミュージカルや舞台に出演するなど活躍し続けている。2000年には企画・音楽・主演で『I Love JOKERS』を上演。現在は、福島三郎率いる劇団丸福ボンバーズの劇団員であり、劇団が主催する作品の音楽を担当している。

 ミュージシャンとして役者として、やりたい企画がたくさんあると言う曾我。デビュー当時の話から演劇との出会い、演劇の音楽を創ることや役者の魅力について、そして、ソロでの音楽活動とこれからのことをたっぷりと語ってもらった。

演劇の音楽を創ったことはなかったけれど

拡大曾我泰久=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

――まず、演劇との出会いからお伺いしたいのですが。

曾我:まだジャニーズ事務所にいた25歳のときに、初めてミュージカルに出演しました。最初はあまり乗り気じゃなかったんですけど、やっていくうちに面白さを感じ始めたんです。ミュージカル以外の舞台も観たいなと思っていた時に東京サンシャインボーイズに出会って、こんなに面白い舞台があるんだと、チケットを並んで買って観に行ってました。そのときに役者として福島三郎さんが出演されていたんです。

――すでにその頃から福島さんのことを知っていたんですね。

曾我:そうなんです。そして福島さんが三谷幸喜さんの演出助手になり、その後、ご自分で泪目銀座という演劇ユニットを立ち上げられました。僕も追いかけるように泪目銀座の公演も観に行くようになって、福島さんにご紹介いただいたんです。

――それが出会いですね。

曾我:そのときに福島さんが「実は、THE GOOD-BYEのレコードを持っていたんです」と言ってくださって。たまたま好きな女の子が僕のファンだったらしく、THE GOOD-BYEを聴いていたそうなんです。相当、昔の話ですよね(笑)。そんなご縁で親しくなって、当時からミュージカルに出ていた川平慈英くんやシルビア・グラブさんなど、友人たちとの飲み会で“泪目ミュージカル”をやろうと盛り上がったこともありました。結局それは実現しなかったんだけど、そうこうしているうちに福島さんが劇団を立ち上げるという話を聞いて、僕も参加したいと思ったんです。

――それが劇団丸福ボンバーズ。

曾我:そうです。福島さんが丸福ボンバーズを立ち上げた理由は東日本大震災がキッカケなんです。直後、復興にあたっていろんな活動がされましたが、その中で音楽はすぐに届けることができるのに、演劇はなんて無力なんだろうと感じたそうです。それでフットワークの軽い劇団を創りたい、できる範囲で演劇を広げていきたいという思いで立ち上げられたんです。劇団員も福島さんの作品が好きな人たちばかりが集まっています。

――そういう理由があったんですね。

曾我:僕も劇団員として参加させてもらっているんですけど、なかなかスケジュールが合わなくて出演できなくてね。そんなときに、福島さんが「ちょっと言いにくいんですけど、音楽を作ってもらうことは可能ですか?」と言ってくださったので、「是非、やらせてください」と。

――なるほど。

曾我:それまで演劇の音楽を創ったことがなかったんですけど、それをきっかけに僕が出演してもしなくても音楽を創るようになりました。元々インスト(インストゥルメンタル)を創るのが好きだったので、やってみたいという思いはあったんです。

元々、音楽は気持ちを表現するもの

拡大曾我泰久=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

――実際に演劇の音楽を担当されていかがでしたか?

曾我:福島さんから今回の公演はこういう感じ、というヒントをもらって、じゃあ、こんな感じかなと音楽を創ってやりとりをします。テーマ曲を創ったら、芝居の中で流れる音楽を創ります。ちょっと不安な音楽やすごく爽やかな音楽といったような、作品に添った音楽を創っていきます。台本の中に「ここに音楽」と書いてあるんですね。物語の流れを読んで自分なりに考え、時間があれば稽古場に行って稽古を見て創ります。

――イメージの世界ですね。

曾我:例えばメインになる曲をいろんなバージョンで創るんです。オルゴールの音色に変えたり、バラードにしたり、楽器を変えたり。シーンごとの細かい音楽はあまり要求されないんですけど、どうしてもこのシーンの音楽を創って欲しいと言われたらそれに合う音楽を創ったり……。

――芝居に合わせて音楽をイメージすることは難しくないですか?

曾我:そうですね。常日頃からストックをするようにしています。不安を煽るような音楽とかあるじゃないですか。そういう音楽はあまり創らないので、常にイメージするようにしていますね。元々、音楽は気持ちを表現するものじゃないですか。爆音でガーーー!と鳴らすと圧倒的にロックになるし、曲調を変えてピアノだけで弾くとロックがバラードにもなります。こうしたら面白いのでは? こんな表現もできるのでは?というようなアレンジをやってみたかったんですね。だから演劇の音楽を創ることは僕にとってチャレンジでもあるんです。

――福島さんもいろいろと意見を言われたり?

曾我:いえ、福島さんはNOと言わない人なので、大丈夫かと不安になります(笑)。演技にしてもそうなんですけど、役者が出してきたものをとても大事にされる方です。

――優しい方ですね。

曾我:そうなんです。福島さんの演出は、それぞれが出してきたものをまとめ上げていくというやり方ですね。だから音楽もあまりNOと言われたことがなくて。もうちょっと楽器を増やしてみてくださいとか、ちょっとテンポを上げてもらえますかとか、そのくらいです。最初に少しやり取りをして、こんな感じでどうでしょうと送ると、バッチリですと言ってくれます。

――多い時で何曲ぐらい創られるんですか?

曾我:10曲も創っていないんじゃないかな。一つの作品で100曲は創ると聞いたことがあるので、僕なんか全然……甘いですよ(笑)。ただ、音に頼る演劇と音に頼らない演劇があると思うんです。福島さんの芝居は会話劇なので、音で表現するということを良い意味で求めていないんです。音に頼ってそこに芝居を乗せていくのではなく、会話で成立しているので、そこに音が寄り添うような芝居なんです。

――なるほど。福島さんのイメージや台本の台詞から音を探されるんですね。

曾我:そうです。打ち合わせをしたあと、こんな感じかな、あんな感じかなと頭の中でメロディーを浮かべながら帰るんです。すると「あ、できた」となるので、それを曲として完成させます。だいたい、打ち合わせの帰りにメロディーはできていますね。

――すごい!!

◆公演情報◆
丸福ボンバーズ ブースト『結婚のススメ~NO SURPRISE,NO LIFE!~』
2019年1月19日(土)~1月22日(火) 東京・紀伊國屋ホール
2019年1月25日(金)~1月27日(日) 大阪・HEP HALL
2019年1月30日(水)~1月31日(木) 名古屋・東文化小劇場
【お問合せ】
TEL:03-6869-9064/TATICA(平日11:00~17:00)
MAIL:mfbombers@gmail.com
丸福ボンバーズHP
[スタッフ]
作・演出:福島三郎
音楽:曾我泰久
[出演]
森山栄治(*pnish*)、山崎彬(悪い芝居)、森下ひさえ(theater PEOPLE PURPLE)、大村まなる(劇団プレステージ)、大久保聡美、山中雄輔(劇団スパイスガーデン)、東李苑、戸澤亮(NEXTAGE)
〈丸福ボンバーズ〉
八木さおり、野崎数馬、梅里アーツ、橋爪渓、竹内晶美、藤沢実穂、吉田雄樹、石川誠也
◆曾我泰久LIVE情報◆
★『曾我泰久~浪漫聖夜(ロマンティック クリスマス) 2018』
2018年12月16日(日) 東京・六本木 BIRDLAND
2018年12月20日(木) 神奈川・横浜thumbs up
2018年12月23日(日) 愛知・栄 Live Doxy
2018年12月24日(月・祝) 大阪・心斎橋Music Club JANUS
★『曾我 泰久 Dear Friend LIVE TOUR~ アポロでドライヴ ~』
2019年2月8日(金) 神奈川・川崎 セルビアンナイト
2019年2月15日(金) 大阪・南堀江 knave
2019年2月16日(土) 名古屋・今池 BL cafe
2019年2月24日(日) 東京・原宿 La Donna(昼夜2回公演)
詳細はこちら
〈曾我泰久プロフィル〉
小学5年生のときにオーディションに合格しジャニーズ事務所に所属。「リトルリーブス」や「リトル・ギャング」など、さまざまなグループに参加。1983年に「THE GOOD-BYE」を結成し、「気まぐれONE WAY BOY」でメジャーデビュー。1990年にジャニーズ事務所から独立し、ソロ活動をしながらミュージカルなどの舞台でも活躍中。今年、「THE GOOD-BYE」が35周年を迎え、8月に中野サンプラザで35周年コンサートを行った。
曾我泰久公式ホームページ
曾我泰久公式ツィッター

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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