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『まんぷく』に違和感。塩づくりは男だけの仕事?

木村涼子 大阪大学大学院人間科学研究科教授

『まんぷく』拡大『まんぷく』の「たちばな塩業」のセット(3DCG映像/NHKの公式サイトhttps://www.nhk.or.jp/mampuku/gallery/より)

朝ドラ『まんぷく』と安藤百福

 現在、NHKの朝の連続テレビ小説『まんぷく』は、ヒロイン福子を演じる安藤サクラによる、マーチ調の主題歌に沿った、林の小道や海辺での型破りだがチャーミングな動きで、毎朝始まります。

 福子の夫萬平(長谷川博己)のモデルはチキンラーメンやカップヌードルを世に送り出した安藤百福ですから、彼が史実のように様々な苦難を乗り越えつつ、大きな影響を世界的に与えることとなるインスタントラーメンづくりをいつ始めるのか、多くの視聴者が注目しているでしょう。

 安藤百福をモデルとした人物は、同じくNHK朝ドラ(2003年度下半期)『てるてる家族』でも中村梅雀によって演じられていましたが、彼が台湾出身であることについては、『てるてる家族』ではもちろん、主要キャストとなっている『まんぷく』においても、無視されています。百福が、戦後日本政府の決定で突然「外国人」になり苦労をしたことなどは、よく知られた逸話ながら、朝ドラでは扱いにくいのか、取り上げられません。

 『まんぷく』では、彼のルーツはさておいて、安藤サクラ演じる「福ちゃん」がぞっこん惚れ込む男、「自分の才能と努力でひとびとを幸せにしたい」と語る男として登場します。

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筆者

木村涼子

木村涼子(きむら・りょうこ) 大阪大学大学院人間科学研究科教授

1961年生まれ。1990年、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程単位取得退学。大阪大学大学院人間科学研究科教授。博士(人間科学)。専門は、近代日本におけるジェンダー秩序、ジェンダーと教育研究など。『<主婦>の誕生――婦人雑誌と女性たちの近代』(吉川弘文館)、『学校文化とジェンダー』(勁草書房)など著書多数。