真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター
大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
音楽活劇『SHIRANAMI』で初共演
――殺陣が初めての方がいるとついチェックしてしまったり、なんてことはあるんですか?
早乙女:それはないですね。アクション監督の方がいらっしゃいますから。そういうことはあまり言わないですね。
伊礼:そうなんだ。僕は言ってしまうんですよ。
――どんなときに言ってしまうんですか?
伊礼:先日は力関係がある中での腕の掴み方――この場合は上から抑えないとダメだよね、といった細かいところに目がいっちゃうんです。ナイフを使ったり、喧嘩をしたり、そういう芝居を経験しているので、力の出し加減といった物理的なことが気になってしまうんです。ウソが見えてしまうのが嫌なんですよね。ただ、今回は僕自身がいろんなことが初めてなんでいつもよりは様子を伺いつつな感じで。
――では、早乙女さんにもいろいろチェックして欲しいですか?
伊礼:見て欲しいですし、いろいろアドバイスをして欲しいですよ。
早乙女:……じゃあ、おこがましいですが、言わせてもらいます。
伊礼:ぜひとも、お願いします。最初、刀を持った時の間合い、距離感がつかめなかったんです。もちろん、刀を持って向き合った距離感では話さないじゃないですか。基本、手が届く範囲に相手がいますから、その感覚に慣れていますよね。だから、刀を持つとすごく遠くに感じます。
早乙女:確かに、そうですね。
伊礼:でも、刀はとてもぎこちなかったんですけど、十手を持つようになったらイキイキし出したねと先生に言われました(笑)。はい、十手の方がやりやすいですって。
(一同笑)
――殺陣をされてきた早乙女さんは、そういった距離感はどうですか?
早乙女:もちろん、その距離感は考えます。ただ、その人との心の距離感がおのずと体の距離感に表れるので、そこを大事にしています。感情がばっと前へ出ると距離感が近くなったりするので。
――なるほど。
早乙女:でも、舞台の真ん中にいさせてもらえることは割と楽なんです。周りの方が自分のカッコいい手の位置に合わせて持ってきてくれるんです。そうやってみんなが合わせてくれるので、真ん中でどしっとしていようと思います(笑)。
◆公演情報◆
音楽活劇『SHIRANAMI』
2019年1月11日(金)~1月29日(火) 東京・新国立劇場 中劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・演出:G2
ショー演出・LEDディレクション:市川 訓由
[出演]
早乙女 太一、龍 真咲、伊礼 彼方、喜矢武 豊(ゴールデンボンバー)、松尾 貴史
鈴木 壮麻、加納 幸和 ほか
〈早乙女太一プロフィル〉
大衆演劇「劇団朱雀」二代目として4歳で初舞台を踏み、北野武監督の映画『座頭市』(2003)出演をきっかけに一躍脚光を浴び、劇団解散以降、舞台やドラマ、映画など活動は多岐にわたる。最近の主な出演作に、劇団☆新感線『髑髏城の七人』、映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』、『BLEACH』、『泣き虫しょったんの奇跡』、ドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ』、『忘却のサチコ』、『コールドケース2~真実の扉~』、Amazon Audible 『ロング・グッドバイ』など。また「早乙女太一×柏原晋平 作品展」を開催するなど、演技以外の表現でも魅了している。公開待機作に、映画『居眠り磐音』(5/17公開)などがある。
★早乙女太一OFFICIAL SITE
〈伊礼彼方プロフィル〉
沖縄県出身の父とチリ出身の母の間に生まれる。中学生の頃より音楽活動を始め、ライブ活動をしていたときにミュージカルと出会う。最近の主な出演作は、ミュージカル『JERSEY BOYS』『ロマーレ』『TENTH』『メンフィス』『ビューティフル』など。2018年8月には、椿鬼奴のアルバム『IVKI』にデュエット参加するなど、活躍の幅を広げている。1月21日(月)~25日(金)NHKオーディオドラマ 青春アドベンチャー『夢みるゴシック それは怪奇なセレナーデ』、4月からミュージカル『レ・ミゼラブル』(ジャベール役)での出演が決まっている。
★伊礼彼方official web site
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