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歌うまコンビで「最強ファントム」/真彩希帆

【宝塚~朗らかに~】望海風斗と息ピタリ

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・12月27日紙面(東京本社発行版)より】

拡大あこがれの歌姫役で、新年の幕開けを迎える真彩希帆(撮影・渦原淳)
 雪組トップ娘役真彩希帆(まあや・きほ)は、トップ望海風斗(のぞみ・ふうと)との当代きっての“歌うまコンビ”で、ミュージカル「ファントム」の本拠地・宝塚大劇場公演を好評のうちに終えた。あこがれの名作ミュージカル。来年1月2日からは東京宝塚劇場での上演を控え、新年からも美声を響かせる。同2月10日まで。

 「皆さんのご想像通り、もう、跳びはねましたっ。本当ですか? って」

 今作「ファントム」ヒロインが決まった当時を振り返って笑わせた。元宙(そら)組トップコンビ、和央ようか・花總まりによる初演を見ており、当時のセリフ、間も振りも覚えている。男役志望だったファン時代、娘役として宝塚音楽学校に入学して以来、あこがれ続けてきた作品。歌唱力に秀でる望海の相手役へ迎えられ、夢が実現した。

 「下級生時代に、望海さんと『ファントム』の曲をデュエットさせていただく機会があって。いつか絶対、望海さんは『ファントム』をされるだろう。そのとき見に行ければ、と…」

 あこがれのオペラ座へ思いを募らせる歌姫・クリスティーヌは、地下にすむエリック(ファントム)と出会い、成長し、自身の夢をかなえるが…。心の振れがそのまま音階にのる。

 「お芝居と連動させる歌唱が、こんなに難しいんだと、あらためて。歌が良かったね-だけでは終わらない、その先をお届けできたらと頑張ってきました」

 有言実行。真彩クリスティーヌは、感情の機微をメロディーにのせ、堂々たる歌姫として存在する。

 「最初、クリスティーヌは真白なドレスのイメージでした。清楚(せいそ)で可憐(かれん)で、歌が好きで、純粋で無垢(むく)。というのも私、彼女を亡き母親像と重ねるファントムの目線で見ていた」

 歌が大好きで、ある意味、思い込みも強い。打算に気付かず、だまされる。リアルな女性像でもいいと考え、共感が深まった。

 「私自身、歌が大好きで、つねに歌っている子供でした。単純で、宝塚受験のときも、落ちるなんてこれっぽっちも思ってなくて。両親の前で男役のマネもして、車の中、家の中で好きなだけ歌っていました」

 受験時、音楽学校と宝塚大劇場の前で写真を撮り、母に「私、ここ(舞台)に立てるかも」と言ってはしゃいだ。無邪気さは、クリスティーヌに通じる。「私の人生(役作りに)役に立つこともあるのかな、って」と言い、笑った。

 望海からは「私たちがやる意味のある作品にしないと。私はエリックを、あなたはクリスティーヌの人生をちゃんと生きよう」と言われた。圧巻の歌唱のみならず、繊細な演技やダンスでも魅了するコンビ。2人ならではの「最強の『ファントム』」を作り上げた。

 今年1年は「1日1日が本当に濃く、あっという間だった」。宝塚愛、望海への尊敬の念も強まるばかり。「来年もいい1年になるんじゃないか。それこそ、根拠はないですけど(笑い)。いや、いい1年にしたいです」と言い切った。

 新年は東京宝塚劇場でスタートする。「最後まで正解が見つからない方が、舞台はおもしろい。日々違う発見があれば楽しい」。来年も、勢いは加速一途に違いない。

◆ミュージカル「ファントム」(脚本=アーサー・コピット氏、作詞・作曲=モーリー・イェストン氏、潤色・演出=中村一徳氏) ガストン・ルルーの小説「オペラ座の怪人」をもとに91年に初演。米国内での好評を受け、世界各地で上演されてきた。宝塚では04年に宙組で初演。怪人と呼ばれた主人公エリックの心の葛藤を鮮明にし、悲劇の結末をよりドラマチックに描いた。愛の尊さを問い掛ける宝塚歌劇らしい人気ミュージカル。

☆真彩希帆(まあや・きほ)7月7日、埼玉県生まれ。12年4月、宙組公演で初舞台。月組など組まわりを経て13年2月花組配属。3年目の「エリザベート」新人公演で、妖艶なマダム・ヴォルフを好演。芸達者な若手娘役として知られ、14年11月に星組、17年1月に雪組。5年目にして全組を経験し、同7月に雪組トップ娘役。身長164センチ。愛称「まあや」「きぃちゃん」「なっちゃん」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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