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[2018年 映画ベスト5]2度見た作品ばかり

『シェイプ・オブ・ウォーター』、『ROMA/ローマ』……

古賀太 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

Netflix製作が最高賞

 『シェイプ・オブ・ウォーター』は昨年(2017年)のベネチア国際映画祭の金獅子賞だったが、『ROMA/ローマ』は今年同じ賞を取った。この映画はNetflix製作の映画が大きな映画祭で初めて最高賞を取ったことで記憶される。日本の劇場では東京国際映画祭で数回上映されたのみだが、Netflixでは公開されている。今後はこうした配信系の映画が国際映画祭や国内の賞を賑わせるだろう。映画会社で製作するのに比べて、長さや内容の自由度が高いというのは、すべての監督が口にすることだから。

 『ROMA/ローマ』はメキシコ市郊外の家族を白黒で描くが、父の失踪以外はほとんどドラマもなく、先住民のメイドから見た日常が描かれる。しかし奥にはブルジョア社会の欺瞞や男女差別、学生運動の弾圧などのテーマがぎっしり詰まっている。いくら『ゼロ・グラビティ』のキュアロン監督といえど、白黒でこの内容ではハリウッドで撮るのは無理だったろう。

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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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