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【公演評】月組『Anna Karenina』

美弥るりかのむせかえるような美貌と色香で、背徳の恋を情感たっぷりに描く

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『Anna Karenina』公演から、ヴィロンスキー役の美弥るりか=安田新之助撮影

 月組公演、Musical『Anna Karenina(アンナ・カレーニナ)』が、宝塚バウホールで上演されました。ロシアの文豪トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』は、映画や舞台で何度も上演され、宝塚でも2001年に朝海ひかるで初演して以来、3度目の上演となりました。

 主役のヴィロンスキーを演じる美弥るりかさんは、2008年の再演時ではカレーニン役をつとめており、思い出の作品でもあることでしょう。今年で研17。今、まさに男役としての充実期を迎え、むせかえるような美貌と色香で物語に説得力を与えています。

 青年将校と政府高官の妻との許されない恋が、19世紀のロシアで燃え上がる――宝塚らしさが映えるドラマチックな物語で、宝塚歌劇2019年のバウホール第一作目を華やかに飾りました。

美弥の甘いマスクと色香に酔う

拡大『Anna Karenina』公演から、ヴィロンスキー役の美弥るりか(中央)、カレーニン役の月城かなと(右)、アンナ役の海乃美月(左)=安田新之助撮影

――19世紀後半のロシア。今宵も晩餐会では紳士淑女たちが優雅な時を過ごしていた。浮気を繰り返すスティーバ(光月るう)に頭を悩ませる妻ドリィ(楓ゆき)、ドリィの妹キティ(きよら羽龍)を愛するコスチャ(夢奈瑠音)、社交界を牛耳るトヴェルスコイ公爵夫人(美穂圭子)や侍従武官のセルプホフスコイ(英かおと)ら華やかな顔ぶれの中、将来を嘱望された青年将校アレクセイ・ヴィロンスキー伯爵(美弥)は常に注目の的だ。

 ある日、母を迎えにモスクワ駅へやってきたヴィロンスキーは、スティーバの妹アンナ・カレーニナ(海乃美月)と出会い、一瞬で心を奪われてしまう。アンナが政府高官アレクセイ・カレーニン(月城かなと)の妻と知っても、激しく惹かれていく気持ちを抑えることはできなかった。

 ヴィロンスキーは誰からも憧れられる優秀かつ美貌の軍人です。人妻に恋をし、その先に破滅が待っているとわかっていても溺れてしまう青年将校なんて、宝塚の男役が演じるにはぴったりの役柄ではないでしょうか。そんな設定に見事にハマる美弥さんの軍服姿はとにかく麗しく、長い年月で培われた色香も最高出力です。あの大きな瞳で見つめられたら、アンナが一目で惹かれてしまうのも無理はありません。

 モスクワの駅でアンナとヴィロンスキーが出会った瞬間の、時が止まったような運命のシーンは、そのまま世の女性を魅了するロマンそのものでした。

◆公演情報◆
Musical『Anna Karenina』
2019年1月10日(木)~1月24日(木) 宝塚バウホール
公式ホームページ
[スタッフ]
原作:レフ・トルストイ
脚本・演出:植田 景子

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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