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ZOZO前澤社長のお年玉は「芸風」ですけどね…

矢部万紀子 コラムニスト

スペースXの宇宙船「BFR」の模型を掲げるZOZO社長の前沢友作さん=2018年10月9日午前11時36分、東京都千代田区の日本外国特派員協会拡大2023年に月旅行をすると発表したZOZOの前澤友作社長。彼女は連れて行くのだろうか?=2018年10月9日

 衣料品通販サイト運営会社「ZOZO」社長・前澤友作さんがくれるという「1億円お年玉」のことを私が知ったのは、1月7日だった。

 彼がツイッターを使い、世間に知らせたのが5日。アカウントをフォローし、リツイートするだけで、100人がポケットマネーから100万円ずつもらえるという。7日はその締切日だった。

 「やな感じ」とは思わなかった。もちろん「いい感じ」でもない。一番近い気持ちを表現するなら、「そんなことも、あるだろうね」だろうか。

 前澤さんと剛力彩芽さんというカップルを観察してきた。その結果としての、ある種の納得。自己分析するなら、そんなところだ。

 あの2人の「劇場型恋愛」を目の当たりにし、剛力さんのことを「働く女子」ととらえて、あれこれ考えたこともあった。だけど2人は五分と五分、同じお流派の人なのね。今はそう思っている。

 昨年7月、剛力&前澤の交際が騒ぎになったとき、剛力さんを痛々しいと思った。

 前澤さんのプライベートジェットでロシアに行き、サッカーW杯の決勝戦を見た。スタジアム前の楽しげな様子をインスタグラムにあげた。反発を招き、反省の弁らしき言葉とともに投稿を全て削除した。が、ほとぼりが冷めるどころか、まだ「渦中」のうちにインスタを再開、高級そうな船で昼寝をする前澤さんの写真を投稿した。「たまにはゆっくり休んでねっ」と添えられていた。

 剛力さんの若さが、気の毒だった。

 超大金持ちの大人(前澤さん=当時42歳)が「好き」と言ってくれる。若い女子(剛力さん=当時25歳)だもん、舞い上がりもするだろう。ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」状態。「きっとそうなんだっ、めぐりあえたんだっ、ずぅっと探してった、ひーとーにっ!」。

 感情の駄々漏れを「はしたない」とする文化はとっくに消えているとしても、そんなふうな「勘違い」(と、年長者には映る)を全開バリバリで触れ回ったこと、いつか後悔するのではと勝手に心配した。そして何より、仕事に差し障ると思ったのだ。

 女優・剛力彩芽の代表作は、「ランチパック」のCMだ。大金持ちとの付き合いと「ランチパック」は、イメージがかけ離れている。早晩、よくない結果になるだろう、と。


筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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