勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
“不都合な真実”を覆い隠した夢物語を信じてはいけない
「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZOの前澤友作社長が、自身のTwitterで100名に100万円(総額1億円)を配ったお年玉企画に批判が出ました。
ですが、その多くは、前澤氏の企画に対して前稿(「ZOZO前澤氏1億円散布をゴウリテキに批評する」)で書いたような市場競争の観点やポトラッチ型支配の観点から指摘するのではなく、「下品(太田光氏、立川志らく氏、藤田孝典氏等)」「成金(常見陽平氏等)」「古臭い」といった言葉を使って批判を展開していました。
一般人であればまだしも、言論や評論で仕事をしている人たちですら、今回の問題を言語化するのに苦労したのか、こういう心情語を使った反射的な非難の文章が散見され、論理的な批判を加える指摘が非常に少なかったように感じています。
このような「稚拙な批判」が賛否の論争に無駄な火をつけたように思います。企画賛成派も、反対派の反応を「自分のお金なんだから何しようと他人の勝手でしょう」「前澤さんを悪くしようと必死」「どうせ金持ちに対する嫉妬でしょ」「文句あるならお前が企画やってから言え」という、これまたレベルの低い妄想・決めつけ・口封じをしたため、質の低い応酬になったように思うのです。
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