勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
“不都合な真実”を覆い隠した夢物語を信じてはいけない
実は、このように、極論や暴論が目立ち、賛否がまともに議論されることなく、ただ見下し合い罵り合うだけで終わることが、昨今のインターネットでは少なくありません。読者やフォロワーが痛快さを求めるあまり、斬り甲斐のある無茶苦茶な意見を述べている人がターゲットとしてピックアップされやすいため、両陣営が「公開処刑」ばかり行い、必要以上に断絶が広がるという、インターネット社会の構造的問題があるのです。
今回もご多分に漏れず、そのような傾向が強かったように感じています。前稿で書いたように「ミクロ的には画期的だけれどもマクロ的には良いと言えるか」のような丁寧な議論がなされることなく、煽情的な感情語の応酬がなされたことは非常に残念に感じました。
かつての私もこの手のやり方をしてしまったことが何度かあり、大変反省をしているのですが、本来最も望ましい解決方法は、自分たちの主張を丁寧に伝えることで、理解が不足していた人たちにも納得してもらい、穏やかに考えを改めてくれることのはずです。まだ対話もしていないのに、始めから他者を斬るような言動は、断絶をますます深めるだけでしょう。
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