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安寿ミラインタビュー(上)

ミュージカル『イヴ・サンローラン』ココ・シャネルとイヴ・サンローランの母を演じる

真名子陽子 ライター、エディター


拡大安寿ミラ=伊藤華織撮影

 『人は生きるために美を必要とする』。
 ミュージカル『イヴ・サンローラン』が2月15日に開幕する(3月3日まで、東京・よみうり大手町ホール/3月26日 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール)。フランスを代表する伝説のファッションデザイナー、イヴ・サンローランの華麗な人生の光と影を、ファンタジックに、そしてドラマチックに描いたミュージカル。作・演出は荻田浩一が担い、イヴ・サンローラン役を東山義久と海宝直人がダブルキャストで演じる。

 イヴ・サンローラン――デザイナー、クリスチャン・ディオールが急逝し、21歳の若さで後継者として抜擢され「クリスチャン・ディオール」の主任デザイナーに就任。<トラペーズライン>というデザインを発表し、人気が不動のものとなる。1960年にはアルジェリア独立戦争に徴兵され、その影響もありクリスチャン・ディオールのデザイナーを退任。その後50年を共に過ごすこととなるパートナー、ピエール・ベルジュと自身のオートクテュール「イヴ・サンローラン」を立ち上げ、次々と革新的なデザインを発表し、“モードの帝王”と呼ばれるようになる。2002年にはデザイナーを引退し、2008年にガンのため逝去。71歳だった。

 イヴ・サンローランと同時代を生きたデザイナー、ココ・シャネルとイヴ・サンローランの母親の二役を演じる安寿ミラに話を聞いた。作品や役に対する思い、毎年訪れているフランスのこと、長い付き合いだという荻田の演出や二人のイヴ・サンローランについて、振付家でもある安寿の冷静で俯瞰した視点で話してくれた。

ココ・シャネルはぴったりだと100%言われる

――この公演へ出演することが決まったときの感想をお願いいたします。

 ずいぶん画期的な作品だと思いました。制作の方に聞いたのですが、こういった題材の作品の観せ方は、とても難しいらしいです。単にイヴ・サンローランの生い立ちを観せるだけでは意味がない。それでいいなら、半生を書いた本もありますし、映画を見たらいいことなんですよね。やはり、舞台ならではの何かができるんじゃないかと、制作の方も演出の荻田さんも思われたのではないでしょうか。

――演じられる役がココ・シャネルとイヴ・サンローランの母親です。

 その二人は、性格がまったく逆の人物なんです。

――そうなんですね。まったく異なる2つの役を演じることは難しいのでしょうか?

 “微妙”に違うよりもかえってやりやすいです。微妙に違うだけだと、同じ人じゃないかと混乱させてしまうかもと考えてしまうので、まったく違うほうが役作りはしやすいですね。

――その二役をどう役作りしていこうと考えていますか?

 ココ・シャネルをやると言ったら、ぴったりだねとほぼ100%言われるんです。なんでそんなにみんなシャネルのことを知ってるんだろうと思うのですが(笑)、皆さん言われるんです。何がぴったりなのかわからないんだけど、こういう人だろうというイメージがあるんだと思います。それはすごくわかるんですね、とても有名な方ですし。でも、イヴ・サンローランの母親は、どういう人なのか一般的には知られていないですし、私たちも追求しないじゃないですか。映画を拝見したけれど、その人物像が本当なのかわからない。だからイメージの中でやるしかないので、荻田さんと話し合いながら創っていこうと思っています。

――シャネルがぴったりと言われる安寿さんのシャネルのイメージは?

 詳しく知らなかったときは、とても神経質で強い人だなという印象を持っていました。……みんなもそういうイメージだったら、それが私にぴったりということになりますね(笑)。女1人で男性には興味がないようなイメージがあったのですが、今回、役を演じる上でいろいろ調べて見えてきたのは、愛の人だったということです。普通に人を愛する人。ただ、ファッションの仕事に関しては厳しく、鬼のようになる人だなと……。

――帽子のデザインをしたことから始まって、強く望んだわけではなく、なんとなくデザイナーになったというイメージがあります。

 そうなんですよね、最初は歌手になりたかったそうです。でも、こんなに有名なデザイナーになったということは、やはり才能があったんだなと思います。洋服以外にもバッグに靴、香水、今でも超一流、ハイブランドとして君臨しているのはすごいことだと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『イヴ・サンローラン』
2019年2月15日(金)~3月3日(日) 東京・よみうり大手町ホール
2019年3月26日(火) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:荻田浩一
音楽:斉藤恒芳
衣裳:朝月真次郎
[出演]
東山義久/海宝直人(Wキャスト)
伊東弘美、皆本麻帆
上原理生、大山真志、川原一馬、神田恭平、奥田努、和田泰右
青木謙、RIHITO、中塚皓平、橋田康、小野沢蛍、中岡あゆみ
安寿ミラ
〈安寿ミラプロフィル〉
元宝塚歌劇団花組トップスター。1995年宝塚歌劇団を退団した後はミュージカル、ストレートプレイ、ダンス公演等に出演。2015年よりシャンソンだけによるコンサートを行っている。主な舞台出演作品は、ミュージカル『タイタニック』、FREE TIME,SHOW TIME『君の輝く夜に』、ミュージカル『グランドホテル』など。また“ANJU"名義で自身のダンス公演『FEMALE』の構成、演出を手掛けるほか、宝塚歌劇団の振付も行っている。
安寿ミラ公式ホームページ

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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