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『まんぷく』の萬平さんには料理の才能がない!

青木るえか エッセイスト

チキンラーメン.拡大日清食品のチキンラーメン

 『まんぷく』の食べ物については、当連載「テレビめし」でもう総括が済んでいる。

 「この番組では、“食べ物を美味しく描写する”のではなく、“食べ物を美味しいと思う感情を描写する”」

 もうこれで決まり。番組ポスターがご飯茶碗を持つ安藤サクラであり、「食べることが大好きな」という設定でありながら、出てくる食べ物が味気ないもんばっか。最初のうち、屋台で松井玲奈とかといっしょに食べるラーメンについて、公式サイトで「いかに手間暇かけてこの消え物をつくったか」みたいな自画自賛をしていたけれど、そうまで言われても「うーむ、麻の服着た奥さんがやってる手作り自然食のカフェ的な味気なさ……」を感じたものであった。それがひっかかってしょうがなかったけど、食べ物そのものを見るのではない、福子や萬平さんや子供たちが「おいしい!」「おいしいからしあわせ!」って言ってる、そこを見るドラマなのですよ。食いもんのほうを見たらダメ!

 と、その件について解決したと思っていたのですが……

「飯マズ男の料理」ではないのか?

 『まんぷく』における食べ物は新たなステージに突入している。

 見るからにまずそう……!

 これは制作側としても、確たる理由があろう。何しろ今、萬平さんが「即席ラーメン」を思いついて、その実現の途上であって、つまり「失敗してるとこ」を見せることがドラマなのだ。失敗したものはまずいだろうと、それはわかる。

 しかしこれ、まずさの方向性、というかまずさの表現方法がまちがってる気がする ・・・ログインして読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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