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【公演評】宙組『群盗-Die Räuber-』

“静かに燃える炎”のように―芹香斗亜が組替え後初、2度目のドラマシティ主演に挑む

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『群盗-Die Räuber-』公演から=岸隆子(Studio Elenish)

 宙組公演ミュージカル『群盗-Die Räuber-』が、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されました(2月26日~3月4日/東京・日本青年館ホール)。

 ドイツの国民的作家フリードリッヒ・フォン・シラーの戯曲『群盗』をミュージカル化し、芹香斗亜さんが宙組生27名を率いて、花組から組替え後初にして、2度目のドラマシティ主演に挑みます。

 宙組の中軸スターとして輝きを増し、男役としての深みと色香、実力を着実に伸ばし続ける芹香さんが、貴族から群盗の首領となる青年カールを熱く、そしてクールに演じています。カールの幼なじみアマーリアには、これがドラマシティ初ヒロインとなる天彩峰里さん、作品のカギを握る異母弟フランツには瑠風輝さんを配し、大劇場ではまだセリフもない下級生たちが、隅々まで活躍する見どころ満載の公演となりました。

成熟した男役の色香漂う芹香

拡大『群盗-Die Räuber-』公演から、カール役の芹香斗亜=岸隆子(Studio Elenish)
 芹香さんが演じるのは、「群盗」の首領カール。18世紀のドイツで、豊かな者から金や宝石を奪い、貧しい人々に与える義賊のリーダーです。しかし彼の素顔は、マクシミリアン・フォン・モール伯爵の嫡子で、何不自由なく育った貴族の息子でした。そんな彼がなぜ義賊へと姿を代えたのか……? 物語は10年以上前にさかのぼります。

――少年カールは厳格な父モール伯爵(凛城きら)と病弱な母のもと、いとこのアマーリアとともに穏やかな暮らしをしていた。ある日、母を亡くした異母弟フランツが引き取られることになった。カールは暗い目をしていた彼を素直に受け入れ、2人は剣を学び競い合いながら兄弟として育っていく。やがて成長したカールは、広い世界を見たいとライプツィヒの大学へ進学を希望。彼に想いを寄せていたアマーリアは、母の形見の指輪を託し、涙の別れを告げた。

 兄弟として剣を合わせる幼いカールとフランツが、一瞬にして大人に変わる演出は、ベルばらのオスカルとアンドレを思い出します。芹香さん演じる大人になったカールは、父に厳しくしつけられながらも屈託なく育ち、明るく頼もしい青年となっていました。

 芹香さんは出てきた瞬間から、その華やかなカッコよさが、まさに太陽のごとくきらめいています。公演を重ねるごとに伸びる歌唱力と、成熟した男役の色香も漂い、主演をつとめる貫禄も確かなものになってきました。

◆公演情報◆
ミュージカル『群盗-Die Räuber-』
-フリードリッヒ・フォン・シラー作「群盗」より-
2019年2月9日(土)~2月17日(日)  梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
2019年2月26日(火)~3月4日(月)  日本青年館ホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・演出:小柳 奈穂子

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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