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中川晃教が再び星野鉄郎を演じる/上

「舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠」で新たな展開

大原薫 演劇ライター


拡大中川晃教=宮川舞子撮影〈ヘアメイク=松本ミキ/スタイリスト=AKIRA〉

 銀河鉄道999 劇場版公開40周年記念作品「舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル〜僕の永遠」に中川晃教が星野鉄郎役で主演する。

 松本零士原作で、1977年に連載が開始され、アニメ化もされて老若男女に愛された漫画。本作は、2018年に上演して好評を博した「舞台『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜」の後日談となり、星野鉄郎(中川晃教)の最後の敵との戦い、そしてメーテル(木下晴香/伊波杏樹)との別れを軸に、オリジナルストーリーを交えて新たな展開を描く。中川は2018年上演の「舞台『銀河鉄道999』〜GALAXY OPERA〜」に次いで、再び星野鉄郎を演じる。

 唯一無二の歌声でミュージカル界を牽引する中川が本作でどんな姿を見せるのか。「銀河鉄道999」について、星野鉄郎について語る中川は、情熱にあふれていた。また、シンガーソングライターとしてデビューし、俳優としても活躍を続ける中川に、ミュージカルと音楽活動を並行することで目指すものは何なのか、語ってもらった。

星野鉄郎に運命を感じるほど惹かれています

拡大中川晃教=宮川舞子撮影〈ヘアメイク=松本ミキ/スタイリスト=AKIRA〉

――昨年上演された「舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~」に星野鉄郎役で主演されましたが、鉄郎との出会いはいかがでしたか?

 最初「中川にぜひ星野鉄郎役を」というお話をいただいたとき、僕らの世代は『銀河鉄道999』はリアルタイムで通ってきた世代ではないので、「『銀河鉄道999』って何だろう、星野鉄郎ってどんな少年だろう、そしてどうして僕なんだろう」というまっさらなところからスタートしたんです。

――鉄郎というキャラクターをどうとらえていましたか?

 この作品の中で16歳の少年の鉄郎はいろんな経験をして大人になっていく。では、鉄郎の「少年」の部分はどういうところなんだろうかと、役作りをしていく上で壁にぶつかったんです。決して、子供っぽさが彼の少年性ではない気がして。「母の仇を取りたい」という鉄郎の気持ちは子供でも大人でも、誰もが共感するものですよね。でも、この作品の中で鉄郎はコスモドラグーンという特別な銃を手にして、母の仇である機械伯爵と対峙し、機械伯爵を殺すんです。16歳の少年にとっては衝撃的なシーンを原作者の松本零士先生が書き込んでいる意味は何だろうと考えながら、稽古を進めていった。そこで気づいたのは、何かを手に入れるためには、何かを手放さないといけないという感覚なんです。

――何かを手放すことで、大人になるということですか。

 そうです。たとえば、機械伯爵に殺された母が「あなたが機械の体になって、永遠の命を手に入れることが私の願いなのよ」と言って死んでいったことに囚われていた鉄郎が、その呪縛から解き放たれる。また、機械伯爵に「お前に俺の気持ちがわかるか、俺だって昔は人間だったんだぞ」と言われて、機械伯爵の目の奥に人間を感じて、機械伯爵に対する考えが変わる。こうして、今まで持っていたものを手放して、少年は大人になっていくんだと、鉄郎を演じる役者としては感じたんですね。

――なるほど。

 そう考えると、鉄郎には一筋の強い光みたいなイメージが生まれてくるんですよ。真っ暗な闇の中、強い光が放たれる先は宇宙なんですよね。すさまじい何かをもって光を放つことで生まれる強い遠心力を鉄郎は持っていて、その力に巻き込まれるように、考えや発想が違うあらゆる登場人物たちが鉄郎に感化され、一つになっていく。そして、光はますます強くなっていくんです。僕自身、鉄郎に運命を感じるほど惹かれています。今回、演じるにあたって、「『何かを手放して、大人になる』というのはどういうことなんだろう?」と改めて考え直してみました。そうすると、それは鉄郎青年の希望でもあり、命の永遠を意味しているんじゃないかって。だから、今回のタイトルが「さよならメーテル~僕の永遠」になったのではないか。銀河鉄道の旅は終わらないということなんじゃないかと思いました。原作が好きなお客様も、舞台版を期待してくださっているお客様も、すべてのお客様に「終わらない旅」というテーマを伝える役割が、鉄郎にはあるんです。

◆公演情報◆
2019年4月20日(土)~4月29日(月・祝) 東京・明治座
2019年5月10日(金)~5月12日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
原作・総監修:松本零士
脚本・作詞:石丸さち子
演出:落石明憲(東宝演劇部)
映像演出:ムーチョ村松
銀河鉄道999テーマ曲 作曲:中川晃教
[出演]
中川晃教、凰稀かなめ、前山剛久、矢沢洋子、木下晴香・伊波杏樹(Wキャスト)、美山加恋、お宮の松、塚原大助(声の出演)、浅野温子(特別出演)、平方元基
〈中川晃教プロフィル〉
2001年、自身が作詞作曲をした「I WILL GET YOUR KISS」でデビュー。同曲にて第34回日本有線大賞新人賞を受賞。翌年、日本初演となるミュージカル『モーツァルト!』の主役に抜擢される。以降音楽活動と並行し、俳優としても活動を開始。出演のみならず楽曲提供という形でも携わっている作品多数。2016年に主演を務めたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で、第24回読売演劇大賞最優秀男優賞、第42回菊田一夫演劇賞を受賞。
中川晃教オフィシャルサイト

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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