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中川晃教が再び星野鉄郎を演じる/下

「舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠」で新たな展開

大原薫 演劇ライター


中川晃教が再び星野鉄郎を演じる/上

フレディ・マーキュリーのような生き方をしたい

拡大中川晃教=宮川舞子撮影〈ヘアメイク=松本ミキ/スタイリスト=AKIRA〉

――先ほど、「鉄郎は暗闇の中を光を放ちながらまっすぐに進んでいく」という話がありましたが、中川さんご自身が歩んできた道のりはどんなものだったでしょうか。

 東北出身だからかもしれませんが、誰も歩いていない、まっさらの雪原に一歩一歩足跡ができて、それが道になっていくというイメージが自分ではありますね。

――中川さんのパフォーマンスで多くの方の心を励ますことができる。本当に稀有な力を持った方だと思いますし、開拓心をもって道を拓いた方だなと思うんです。

 僕も普通の人間ですが、どこかで自信を持つタイミングが何回かあったんだと思うんです。これからもそういうタイミングがあるように努力していきたいと思いますね。

――中川さんが自信を持つタイミングは、いつだったんでしょうか?

 『ジャージー・ボーイズ』が一つ、そういうタイミングになったと思います。自分でつかんだ自信でもあるけれど、同時に、皆と一緒に取り組んだことで自信を得られた経験も、自分の中で新しい温度感や景色を教えてくれている気がして。カンパニーの中で主役として果たしたという役割もあったかもしれないし、日本のミュージカルシーンの中で誰もなし得たことがないあの(フランキー役の)声を「中川だったら出せるんじゃないか」と期待していただき、僕自身で挑戦しようと思ったからこその結果でもあるから、自分は一人で歩んできたわけじゃないなと思うんです。もちろん、(役柄を突き詰める上では)一人で歩んでいる孤独なところは絶対にある。でも、作品を通してお客様に愛され、関わった人たちがやってよかったと思える作品ができたときに「これからもやっていくんだ」と思うんですよね。この間、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を見たんですけど、ご覧になりましたか?

拡大中川晃教=宮川舞子撮影〈ヘアメイク=松本ミキ/スタイリスト=AKIRA〉

――はい、拝見しました。

 フレディが身を削り、音が自分となって全世界に届けていく。そこには国境も壁も何もない。音楽だからこそ発せられる一人の人間のエネルギーをあの映画を見て感じたんです。自分もせっかく音楽に出会い、音楽で生きているんだから、音楽で感動を届けたい。何かわからないけど「よっしゃー!」と思える。興奮する。「この音楽を聴きたい!」と思う。フレディの歌にはそんな力がありますよね。フレディ・マーキュリーが音楽家だからこそなし得た生き方を、僕も生きたいなと素直に思えたんです。そしてふと、「今この時代の日本にフレディみたいな音楽家は何人いるだろう?」と思って、グサッと胸に刺さったり。日本にいて世界のミュージカルをやらせていただいている自分が、バックボーンにある音楽を通して人に感動を届けていくことを見つめ直すきっかけになったんです。

◆公演情報◆
2019年4月20日(土)~4月29日(月・祝) 東京・明治座
2019年5月10日(金)~5月12日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
原作・総監修:松本零士
脚本・作詞:石丸さち子
演出:落石明憲(東宝演劇部)
映像演出:ムーチョ村松
銀河鉄道999テーマ曲 作曲:中川晃教
[出演]
中川晃教、凰稀かなめ、前山剛久、矢沢洋子、木下晴香・伊波杏樹(Wキャスト)、美山加恋、お宮の松、塚原大助(声の出演)、浅野温子(特別出演)、平方元基
〈中川晃教プロフィル〉
2001年、自身が作詞作曲をした「I WILL GET YOUR KISS」でデビュー。同曲にて第34回日本有線大賞新人賞を受賞。翌年、日本初演となるミュージカル『モーツァルト!』の主役に抜擢される。以降音楽活動と並行し、俳優としても活動を開始。出演のみならず楽曲提供という形でも携わっている作品多数。2016年に主演を務めたミュージカル『ジャージー・ボーイズ』で、第24回読売演劇大賞最優秀男優賞、第42回菊田一夫演劇賞を受賞。
中川晃教オフィシャルサイト

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

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