メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

バイトテロを叩く前に客もチップを払うべきでは?

今の若者は昔の何倍もリスクを背負っている

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

日本に蔓延するサービス業への買い叩き

 たとえば、株式会社ZOZOのコミュニケーションデザイン室長であり、インターネット上のインフルエンサーでもある田端信太郎氏は、2018年1月に自身のTwitterで「タクシー運転手は、お客さんに道を一回聞くごとに、タクシー料金を1割ずつくらい割り引くべき」と述べていました。

ネットでは、一連の不適切動画のまとめサイトまでできている拡大「不適切動画」のまとめサイトより(一部加工しています)
 これは、チップ文化のように、「良質なサービスには相応の追加フィーを支払う」のではなく、「たとえ低い給与でも良質なサービスを維持すべきで、それに達しない人間には罰金的対応をするべき」ということでしょう。田端氏は要求通りのサービスを提供してくれた運転手に対してチップを払っているわけではないようですし、そもそも日本のタクシー運転手の給与は決して高いとは言えないのに、平気で減給を口に出来る感覚に驚きました。

 つまりサービス提供側を買い叩く思考が蔓延しているように感じるのです。特に昨今は自己責任論が拡大していると言われ、そのような言説をマスメディアやインターネット上で目にする機会は非常に多くなったように感じます。

 これでは、従業員が「サービスの質を改善することで、より高い報酬を得よう」というインセンティブにもつながりません。企業の経営者も、問題が起こった時にだけ罰を与える等の対処をすればよいことになるので、「トカゲの尻尾のうまい切り方」のノウハウばかりを身に着けることでしょう。

 日本は先進諸国の中でも最もサービス業の労働生産性が低いことが問題となっていますが、このようにサービスに対して敬意もなく、十分なお金を払わない消費者のスタンスも、生産性を低める要因の一つではないでしょうか?

 そしてそのような労働環境であれば、アルバイト店員にとって

・・・ログインして読む
(残り:約2623文字/本文:約4142文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

勝部元気の記事

もっと見る