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「お笑い芸人」がTVをつまらなくした真犯人だ

TV離れが進む背景にある国民生活の二極化

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

YouTuberカジサック氏こと、お笑い芸人・キングコングの梶原雄太氏拡大カジサック(梶原雄太)のYouTubeより

イジリ芸はもう面白くない

 また、「お笑イジメ」の話をする上で触れておかなければならない事件があります。2019年2月に開催されたイベント「ホリエモン万博」で、YouTuberカジサック氏こと、お笑い芸人・キングコングの梶原雄太氏が、共演した評論家の宇野常寛氏に対して、運動神経が良くない点を執拗に揶揄し、宇野氏が怒って会場から帰った件がインターネット上で大きな話題になりました。

 この時、若手のお笑い芸人たちは「イジメとイジリの境界線」について、「信頼関係の構築出来ていない相手にやってはいけない」という見解を述べたのに対して、梶原氏を批判している人々の中には、そもそもイジリ芸そのものが嫌いだという人が少なくありませんでした。

 実際、脳科学者の茂木健一郎氏が、日本のお笑い文化の「いじり」について好きか嫌いかを問うアンケートを自身のTwitterで行ったところ、「好き」と答えた人は17%に対して、「嫌い」と答えた人は3倍以上の55%になったとのことです。Twitterのアンケートは正確な調査ツールではありませんが、やはり「フツウからズレていることを嘲笑する」イジリ芸自体が嫌いだという層が一定数いることは間違いないことが分かります。

 なぜこのようなイジリを嫌いと感じる人が増えたのか

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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