違うジャンルが「交ざる」時、一番大事なのは、お互いをリスペクトする気持ちだ
2019年03月24日
例年、韓国は1月、2月と、気候があまりにも寒いのか、あまり行事がなく、この間は出来るだけ好きなことをするようにしている。かっこよく言えば、そうであるが、かっこ悪く言えば、暇なだけである。
昨年の2018年は、たくさんの人に出会い、たくさんたくさんお仕事をしたので、今年の1月はその逆で人に会わず、仕事もせず、休むと言う意味で、家族でハワイに行ってきた。暖かいというのもあるけど、僕はハワイが好きだ。
寒いのがとても苦手ということもあり、冬にハワイに行くのは、暖かくて本当に助かる。
この前、いろんな国を行き来している人たちと集まって、一番寒い所は?という話題が出たのだが、「冬の日本の家」で満場一致した。
ハワイ、今考えると本当に楽しかった。
また、行きたい。いろんな意味で。
で、感じたこと。
ハワイには、この島には、たくさんのいろいろな人種の方たちが一緒に暮らしている。
共通語の英語が上手な人もいれば、上手でない人たちもいる。文化も違うし、何もかも違うのに、一緒にハワイを盛り上げようと、一生懸命に頑張って暮らしている。
私は日本語と韓国語ができるので、それぞれの知り合いがハワイにいる。
ハワイだけではなくても、たくさんの海外でも、そこに住んでいらっしゃる日本人、韓国人の方とたくさん触れ合える。
そこで気づいたこと。
まず、日本の方の海外移住の歴史は古いですね。
5世や6世、いや、もう7世の方もいるのかな。
お会いすると、ほとんど日本語が通じなかったりするが、その昔、よっぽど苦労なさったのだろうということがなんとなく垣間見れる。
彼らは本当にその国に溶け込み、その国の人に迷惑をかけず、勤勉で静かに暮らしているイメージ。
韓国の方は、近年移民した人たちが多数で、韓国という国が少しパワーがついた後、移民しているのか、主に1世たちで、2世が少々いる感じだ。特に1世は、その国でリアルに韓国をアピールしながら、堂々とパワフルに生きていらっしゃる。
こんなことも言っていた。
僕が最近ハワイはどう?と尋ねると
「大変だよー、差別がひどいんだよ」
「差別!?どこで?」
「そう、東洋人が白人を思いっきり差別しているんだ、特にワイキキでは。ハハハ!」
とか平気で言ってた。(ハワイはアメリカであるが、白人があまり目立っていないというか、有色人種の割合が多い地域である)
日本の移民と、韓国の移民。とにかく時代や環境によって、同じ移民でも全然違うイメージができるのだなぁと思った。
これはまた別話だが、海外のコリアンたちに会うと、全然違う。何が?
現在の本国人(韓国にいる韓国人)と。
何が?
どういうことかというと、ん~~、長く書けないけど、察してください!
私はよく韓国で、近所の銭湯に行きます。そしたら、男風呂で小学生くらいの子たちが、たくさんでお風呂に入ってるのですが、その子たちをよく見ると、その中には、誰一人、いないんです……。このまま大きくなって、最近テレビに出ている、アイドルやPOPスターやタレントのような容姿になる子はいない、ということ。
話は戻って、ハワイで1番思ったのは、たくさんの人種の方たちが、一緒の州に共存し暮らしている。
その国のリーダーが嫌っててもね。
それは、まぁハワイだからね、遠いしね、島国だからね、とおっしゃって、終わらせることもできますが、
ちがうよ。
皆さん、あのね、ハワイ、お好きでしょ?
そんなにハワイが好きだったら、ハワイの自然で遊ぶのもいいが、なぜハワイが今のハワイになったのか、どうして、今のハワイになったのか、歴史など、興味を持たれても良いのではないかと思います。博物館では是非、日本語のガイドもあるので、説明を聞きながら回られると、大変役に立ちますよ。
2月には日本でジャズの人たちと、ジャズハウスツアーをまわらせていただいた。
トライソニークという東京をベースに活動している、ジャズチーム。
昔から知り合いのすごいミュージシャンたち。
前もって、2月くらいにツアーに参加できないかな?ってお願いいしたら、気持ちよくOKしてくれた。
日本の6か所を回った。車1台でみんなと楽器と一緒に。
千葉県柏、神奈川県本厚木、名古屋、大阪、京都、東京。
ちょい体はつらかったけど、楽しかったなあ。
とにかく何しろ演奏が、すさまじい!!
私、こう見えても、けっこう演奏には自信があるのですが、この人たちの中に入れば、油断できない!
ちょっとでも気を許せば、えらいこと!
まるでデパートで迷子になった子供みたいに、その場から動けず、何もできなくなってしまう。
毎日違う音で会話を求めてくる。
そう、すごいんです。日本の一流ジャズマンたちの実力は世界水準!
彼らはどんなミュージシャンでも一緒に演奏する。どんなジャンルでも。どんな国の音楽でも。
彼らは、音さえ出れば、一緒に音楽を作ってくれる。
けど、こちらも、ある程度の知識と努力も必要だ。
違うジャンルが「交ざる」時、一番大事なのは、一緒に演奏するには 、お互いをリスペクトする気持ちだ。
私は、彼らの音楽魂に惚れている。
圧倒的に私より、前進した素晴らしい技術と感性を持っているから。
少しでもそれを学んだり実感したくて一緒にさせてもらっている。
これからも、お願いしたい。
またこの人たち、車の中でも普段でも会話が、ほとんど、ジャズか音楽の話ばっかり。
これもすごいけど、そんな中で、関西に着いたときに私にこう聞いてきた、
私は関西なので、「ミンさん、どうして関西の人たちは、語尾によく、“知らんけど”っていうんですか?」って。
「何それ?どういうこと?」
「たとえばね、道を説明してる時とかに、そこの次を右にいって、その次、左に行けばあると思うんやけど……多分。……。知らんけど」
「知らんけど!?」
言ってる。確かに。気が付かなかった。面白い!
関西の方はお気づきになってはいないかもしれませんが、よく使ってますよ。
「知らんけど。」
1度気にしてみて下さい。
こんな風に、言葉のワンフレーズをも音楽としてキャッチしてしまうトライソニーク。まさにリスペクト!
「交ざる」ということ。
韓国では国楽(韓国伝統音楽を韓国では「国楽」と呼びます)の普及が、国を挙げて行われ、国楽といろいろなジャンルの音楽は融合が行われているが、どうも、内容がまだまだ、国楽メインになっている。
これでは、楽しいのは国楽人だけ。
これでは、融合ではないと思う。
日本も、こんなに発展している国なのに、このことに関しては、何十年も何百年も遅れている。
国のリーダーが、よほど外人を嫌いなのか、あからさまにやっているのが怖いくらい。
国連からも何度も注意を受けているのに、大したものだ。
たくさんの物事でもいえるが、交わるというのは、大変で複雑なことだが、まずその気があったら、お互いを研究し、知る努力をし、一番大事なのは、尊敬しあうこと。
これが、大事だと思った。
今年の冬でした。
よし、今日はここまで。
知らんけど。
P.S.
4月20日 国立能楽堂で演奏します。是非、お越しください!
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