真冬のハワイで考えた「交ざる」ということ
違うジャンルが「交ざる」時、一番大事なのは、お互いをリスペクトする気持ちだ
ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家
日本のジャズチームとツアーをまわって
2月には日本でジャズの人たちと、ジャズハウスツアーをまわらせていただいた。
トライソニークという東京をベースに活動している、ジャズチーム。
昔から知り合いのすごいミュージシャンたち。
前もって、2月くらいにツアーに参加できないかな?ってお願いいしたら、気持ちよくOKしてくれた。
日本の6か所を回った。車1台でみんなと楽器と一緒に。
千葉県柏、神奈川県本厚木、名古屋、大阪、京都、東京。
ちょい体はつらかったけど、楽しかったなあ。
とにかく何しろ演奏が、すさまじい!!
私、こう見えても、けっこう演奏には自信があるのですが、この人たちの中に入れば、油断できない!
ちょっとでも気を許せば、えらいこと!
まるでデパートで迷子になった子供みたいに、その場から動けず、何もできなくなってしまう。
毎日違う音で会話を求めてくる。
そう、すごいんです。日本の一流ジャズマンたちの実力は世界水準!
彼らはどんなミュージシャンでも一緒に演奏する。どんなジャンルでも。どんな国の音楽でも。
彼らは、音さえ出れば、一緒に音楽を作ってくれる。
けど、こちらも、ある程度の知識と努力も必要だ。
違うジャンルが「交ざる」時、一番大事なのは、一緒に演奏するには 、お互いをリスペクトする気持ちだ。
私は、彼らの音楽魂に惚れている。
圧倒的に私より、前進した素晴らしい技術と感性を持っているから。
少しでもそれを学んだり実感したくて一緒にさせてもらっている。
これからも、お願いしたい。

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またこの人たち、車の中でも普段でも会話が、ほとんど、ジャズか音楽の話ばっかり。
これもすごいけど、そんな中で、関西に着いたときに私にこう聞いてきた、
私は関西なので、「ミンさん、どうして関西の人たちは、語尾によく、“知らんけど”っていうんですか?」って。
「何それ?どういうこと?」
「たとえばね、道を説明してる時とかに、そこの次を右にいって、その次、左に行けばあると思うんやけど……多分。……。知らんけど」
「知らんけど!?」
言ってる。確かに。気が付かなかった。面白い!
関西の方はお気づきになってはいないかもしれませんが、よく使ってますよ。
「知らんけど。」
1度気にしてみて下さい。
こんな風に、言葉のワンフレーズをも音楽としてキャッチしてしまうトライソニーク。まさにリスペクト!
「交ざる」ということ。