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山口真帆さん「暴行事件」にみる文化圏の違い

青木るえか エッセイスト

新潟を拡大NGT48が拠点にする新潟では、地元メーカーのCM打ち切りやトークショーの中止など、「NGT離れ」が進んでいるという

魔女狩りと同じ構図

 そして、この事件に「関与したとされるメンバー」についても、関与があったと山口さんが発言するに至った経緯が書いてある。これもぜんぜん妄想とか幻覚とかではない。メンバーの名前を口に出しているのは男のほうである。その録音テープまであって、彼らの発言が生々しく再録されている。

 で、AKSは、当該メンバーは男たちと顔見知りで劇場外でも言葉をかわすような仲(いわゆる、つながってる、ってやつ)であるが、今回の犯行について直接の関係は認定できないとして、「不問に付す」と言っている。

 ここでファンとか野次馬とかがいっせいに「なんで不問やねん!」と火が点いた。

 「メンバーをさっさと引きずり出してペナルティ課せ、なんなら解雇しろ」

 と。

 これもまた問題があって、そのメンバーが誰で、そのメンバーが何をやったか明らかにならないから、憶測で「犯人捜し」「犯人批判」が燃え上がっちゃっている。

 今ネットで「メンバーはこんなことやってるにちがいない」と書かれてることって、たぶん真実の100倍ぐらい盛られてるし、メンバーの、ささいなツイッターの書き込みとかまでが「これが犯人の証拠だ!」とまことしやかに認定され、「ちがうなら証拠出せ!」とかいうことになっている。この構図は魔女狩りと同じ。……などと言うと、言った私も「お前は運営の犬」呼ばわりされそうである。ちがうー!って叫ぶとますます言われる。魔女狩りの魔女判定は、「体のホクロに針刺して、痛がらなかったら魔女」で、ずっと刺され続けてたらよくわかんなくなってきて痛いって声も出てこなくなり「はい魔女!」で一丁上がりという話を魔女裁判の本で読んだけど、責め立てるほうは善意の人悪意の人寄り集まってもうその流れを止められないという、まさにそういうことがネット上で繰り広げられていた。どうすんのこれ。

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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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