林 智彦(はやし ともひこ) 朝日新聞社デジタル・イノベーション本部
1993年、朝日新聞社入社。週刊朝日、論座、書籍編集部などを経て、2009年よりデジタル部門へ。
※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです
247の元号を調べてみたら
前項でちょっと気になるのが、わずか1年しか使われなかった元号(の漢字)も、数十年にわたって使われ続けた元号(の漢字)も、同じ「1(度)」として数えているところ。
たとえば、「延応」年は、わずか1年しか続かなかったのに対して、「延暦」年間は24年もありました(注:元号の年の数え方にはさまざまな考え方がありますが、ここでは計算の便宜のため、単純に西暦の終了年から開始年を引いています。1年未満は「0」と考えます)。
この2つの元号で使われた「延」を、同じ重さで見てしまうのは適切でないかもしれません。
そこで次の計算式で、それぞれの漢字が用いられた「期間」を計算してみます。
例)「延暦」年間は24年 → 「延」は12年、「暦」は12年使われたと考える。
科学的、専門的な検証に耐えうるような方法ではありませんが、一つの目安にはなるかもしれません。
この方法で、それぞれが使われた「年数」の多い順に漢字を並べてみると、次のようなグラフになりました。
第一位は、「永」の184年、続いて、「天」「和」「文」「平」「正」が続きます。
どれも歴史の教科書や古文などで、馴染み深い漢字ばかり。元号の漢字として、このあたりの文字が「メジャー」ということなのでしょう。
それに対して、「鳥」「感」などの数値は、「ゼロ」(それぞれ、「朱鳥」〈686年〉、「天平感宝」〈749年〉に用いられました)となります。
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