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【公演評】雪組『PR×PRince』

永久輝せあバウホール初主演、オタク研究者とイケメンプリンスのギャップにクラクラ

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『PR×PRince』公演から、ヴィクトル役の永久輝せあ=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

 雪組公演Bow Happy Romance『PR×PRince』が、3月28日、宝塚バウホールで初日を迎えました。

 主演の永久輝せあさんは雪組の御曹司的存在で、王子様が似合う端正な容姿が魅力です。4度の新人公演主演をつとめて着実に経験を積み重ねてきた永久輝さん。これが初のバウホール単独主演だったとはちょっと意外なほどでした。

 満を持して挑む作品は、財政難と環境汚染に悩む小国を救うため、第一王子とその弟たちがPR作戦に駆り出されるミュージカルコメディで、町田菜花さんデビュー作です。平成元年生まれという町田先生のフレッシュな感性と、永久輝さんのルックスを活かした王道ラブコメに、ファンのツボも押されっぱなしでした。(以下、ネタバレがあります)

永久輝の変身に説得力あり

拡大『PR×PRince』公演から、左から、ヴァレンティン役の綾凰華、ヴィクトル役の永久輝せあ、ヴァルテリ役の彩海せら=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

――財政難に悩む小国ペキエノでのお話。大臣たちは観光CMの制作で活性化を図るが、出演予定の俳優にドタキャンされてしまう。そこで、第一王子のヴィクトル(永久輝)と第二王子のヴァレンティン(綾凰華)、第三王子のヴァルテリ(彩海せら)の三兄弟が代役に駆り出されるが、その華麗なダンスパフォーマンスに周囲はびっくり仰天。SNSで拡散されると、3人は一躍、世界中の話題となる。だが、ふだんのヴィクトルは真面目で内気な研究者で、メガネを外した時のみ変身できるのだった。

 思わぬことから国の広報マンになった“イケメンV3”。オープニングからアイドル的カッコよさをパワー全開で披露します。センターをつとめる長男のヴィクトルはもちろん永久輝さん。ナチュラルなブロンドヘアに青い瞳、スマートなスタイルと甘いマスクは、まさに少女漫画の王子様そのものといえるでしょう。

 しかし、ヴィクトルにはもう一つの人格(?)がありました。ふだんはビン底メガネをかけたオタクくんで、専門の環境汚染分野については饒舌ですが、恋になるとからっきしダメ。互いに想いあう仲間のエル(潤花)とは、まともに会話することさえできません。超内気でオドオドする様子は母性本能くすぐられ系なのに、メガネを取られるとガラッと180度変身し、くしくも東京公演中の『CASANOVA』の主人公カサノヴァみたいなプレイボーイになってしまうから驚きです。

 オタクからカサノヴァへ――極端な変身は少女漫画の王道パターンとわかっていても、ギャップ萌えせずにはいられない。もちろん、永久輝さんの透明感ある美しさが、そのギャップに説得力を与えていたのは言うまでもないでしょう。

 しかし、このヴィクトル。なぜ、メガネを外すと変身するのでしょうか?

◆公演情報◆
Bow Happy Romance『PR×PRince』
2019年3月28日(木)~4月8日(月) 宝塚バウホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:町田 菜花

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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