メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

無料

均一化した日本のTVがコンマリを米国に奪われた

コンテンツの出演者にも進むTV離れ

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

出演する側のTV離れも進んでいる

 なお、お笑い芸人以外の出演者のラインナップに関しても、単一化・均一化が進み、多様性が欠落していると思います。本来は本業で実力があるはずなのに、番組の核に据えられているお笑い芸人と「上手く絡めない人」や「相性の悪い真面目な人」が番組に起用されなくなってしまい、ますます番組の専門性が低下しています。

 結果としてそのジャンルに見識がないどころか、興味すらもないお笑い芸人やコメンテーターがフィーチャーされて、スタジオトークの「ネタ」として消費する番組ばかりになるのなら、知的面白さが低下するのは当然です。

 そして、「テレビに出ることは成功の象徴だ」と憧れを抱く人も、次第に少なくなっていると感じます。たとえば、作家のアルテイシア氏は、自身のTwitterで「TVの仕事はほぼ断ってる私ですが(クソみたいな企画が多いので)」と語っていました。

 確かに、私の周りにも活動やビジネスがTVに取り上げられた人は多々いますが、「勝手に悪意ある編集をされた」「事前に聞いていたことと取り上げ方が違う」「スタジオトークで馬鹿にされた」等、怒っている話をたくさん耳にします。これでは「TV出演は控えよう」というスタンスの人が増えるのも当然です。

 かつて露出を制限してミステリアスなイメージを作る場合や、アウトロー気質のためにTV出演を拒否する人はいましたが、「テレビ出演はマイナスの影響のほうが大きいから、出ないほうが合理的」と考える人が増えているのは、昨今の特徴ではないでしょうか。コンテンツを提供する側や専門性の高い人材がそっぽを向き始めているという意味でのTV離れもかなり深刻だと思うのです。

金太郎飴化を進める芸人とアイドルの大繁殖

 単一化・均一化しているのは、バラエティー番組のスタイルや演出方法でも同様です。VTRがメインの番組でも、ひな壇芸人やコメンテーターたちが座る「スタジオ」が用意され、ガヤを飛ばしたり、専門的でもないコメントを繰り広げています。VTRだけでよいのに、わざわざスタジオトークのコーナーが設けられているのです。このような構図はほとんどの局が採用しており、まるで金太郎飴のようです。

 お笑い芸人だけではなく、アイドルも単一化・均一化が顕著に進んでいます。AKB48から地下アイドルに至るまで、似たような構成のアイドルグループが金太郎飴のように無数に存在しています。

 また、以前の記事、「漫画の実写化が原作イメージを破壊する本当の理由」で指摘したように、日本の漫画では高校生が主人公という設定が非常に多く、その実写化映画に出演する俳優が偏っています。このように、邦画でも単一化・均一化が進んでいると思います。

 もちろん、彼等やそのコンテンツの存在自体を否定しているわけではありません。ですが、日本のTVコンテンツにおいて、様々な面での単一化・均一化が進んでいるために、「面白さの種類が少なくなった」のは事実ではないでしょうか?


筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

勝部元気の記事

もっと見る