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青野紗穂×石丸さち子インタビュー(下)

『Color of Life』、見せる演劇ではなく存在する演劇

真名子陽子 ライター、エディター


青野紗穂×石丸さち子インタビュー(上)

楽曲に不思議な力強さを感じる

拡大青野紗穂(左)と石丸さち子=岩田えり撮影

――セリフだけでなく、楽曲もたくさんあります。その楽曲はいかがですか?

青野:ものすごく難しいです。

――それは歌うことが難しいんでしょうか?

青野:歌うこともですが、今までシンガーとして、“音程を取る”“感情を出す”“それを共感してもらう”とざっくり3つに分けて、それをやっていれば音楽としては成立するんですね、ちゃんと自分の中に“soul”があれば。なんですけど、その範疇を超えた……愛やエモーショナルということでは済まない楽曲の大きな力を凄く感じています。感情を表現するということとはまた違うんじゃないかなぁと。すごく不思議な力強さを感じるんです。

石丸:自分の内面から出る音があると思ったら、その音が次には時間を大きくジャンプする音になっていたり、1曲の中で音が大きく変化しているんです。ここまではこの1週間のことを歌っている、ここからはこれまでの人生のことを歌っている、ここは相手の顔を見た一瞬から出てきた感情を歌っている、というように、音になってほとばしるものが様々なんです。そこを理解して歌わないと伝わらないから、共有する時間はすごくかかるんだけれど、作曲の伊藤靖浩さんが歌詞と台本の中における楽曲の位置をよく理解してくださっているので、楽曲を理解して歌うとちゃんと聞こえるようになっているんだよね。

青野:はい。

石丸:でもそれは、楽曲としてとても難曲です。音のジャンプの仕方やリズムの取り方など、こんなに難しい曲を歌えるの?と言ってしまうような曲もあるよね。

青野:はい、もう技術がいくらあっても足らないくらい、すごく難しい楽曲です。

――青野さんでもそんなに難しいんですね。聞いている私たちは心地よくて仕方がないです!

青野:そうなんです! そうなっていただきたいんです……!

石丸:がんばらないとね!

――観終わった後に、じわっと温かい感覚を覚えます。

石丸:そう言っていただけることは、とてもうれしいですね。誰しもの記憶をくすぐるお話だと思います。

――本当にそう思います。自分の中の記憶にあるんです。

石丸:そういうものを書きたかったんです。一人ひとり違う人生を抱えているのに、みんなが生きていく中で共通しているのは、人と出会うこと。歌の歌詞で、「毎日ひとりずつ誰かに出会ったら、1年で365人に出会うことになる。もしも80年生きたとしたら…」という歌詞があるんだけど、私にとってはお客さまとの出会いもそうなんですよね。

◆公演情報◆
New Musical『Color of Life』
東京:2019年5月1日(水・祝)~5月27日(月) DDD青山クロスシアター
※プレビュー公演:2019年4月26日(金) 相模女子大学グリーンホール 多目的ホール
★アフタートークの開催も決定!
詳しくは公式ホームページをチェックしてください。
[スタッフ]
脚本・作詞・演出:石丸さち子
作曲・編曲:伊藤靖浩
[キャスト]
東啓介 青野紗穂
〈青野紗穂プロフィル〉
エイベックス主催「キラット☆エンタメ・チャレンジコンテスト2007」に出場し、約2,000人の中からモデル部門の特別賞を受賞。2012年、N.Y.アポロ・シアターのアマチュアナイトのキッズ部門「Stars of Tomorrow」に出場し優勝。2015年7月5曲入り配信限定EP「INTRODUCTION」をリリース。主な舞台出演作品は、『ソーホー・シンダーズ』『オン・ユア・フィート!』「BKLYN-ブルックリン-」『RENT』『人魚姫』など。9月には『FACTORY GIRLS~私が描く物語~』への出演が決まっている。
青野紗穂OFFICIAL WEBSITE
〈石丸さち子プロフィル〉
早稲田大学を卒業後、「NINAGAWA SUDIO」に俳優として参加。1993年より、蜷川幸雄作品を中心に演出助手をつとめ、2009年、演出家として独立。現代作家から古典、ストレートプレーからオリジナルミュージカルまで、幅広く作品を創り出している。ミュージカル『マタ・ハリ』翻訳・訳詞・演出、Rock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』脚本・作詞・演出、GALAXY OPERA『銀河鉄道999』作詞などを手がける。4月開幕の舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠では脚本と作詞を、5月に開幕する『BACKBEAT』では翻訳と演出を担う。
石丸さち子オフィシャルブログ

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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