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入場料を払う本屋「文喫」で、本は売れるのか?

高橋伸児 編集者・「論座」

提供・bunkitsu拡大選書室。自由にカフェや閲覧室(カウンターテーブル)に持ちこんで読むことができる=提供・bunkitsu

 外出先で本を読める場所はどこだろう。かつては電車が格好の場だったけれど、いい歳になったせいで、つまり老眼のせいで、なかなかつらい。はずしたメガネを手に持って読むのはわずらわしい。流行のルーペを買ってはみたものの、車内で掛けるには、「見え」が邪魔をする。特に混んでいる車中では片手で操作できるスマホは楽だ。誰だったか、つり革につかまりながら、顎で本のページをめくると書いていた強者がいたが、とてもそんな技は習得できそうにない……。

 そんな事情もあって、このところ本を読む場、というのが気になっているのだけど、若い世代にも関心を集めているようだ。東京・初台のカフェ「文机(fuzkue)」は、私語厳禁、ひたすら読書のための空間だ。ドリンクとチャージでふつうのカフェより値は張るが、僕が行ったときは若者たちで繁盛していた。来年には2号店ができるという。

 2018年にオープンした箱根のホテル「箱根本箱」も読書のための宿。至るところに書棚があって、それをホテル内で読む。購入も可。一度泊まってみたいのだが、けっこういいお値段なのに週末はほぼ満室(平日もかなり埋まっている)、いつ行けることか。

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筆者

高橋伸児

高橋伸児(たかはし・しんじ) 編集者・「論座」

1961年生まれ。「朝日ジャーナル」「週刊朝日」「アサヒグラフ」、論壇誌「論座」、PR誌「一冊の本」、単行本・新書の編集部を経て、2011年から言論・解説サイトWEBRONZA(現・「論座」、朝日新聞社)の編集者。つくった本は、『若松孝二 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』、藤崎康『戦争の映画史――恐怖と快楽のフィルム学』、中島岳志『秋葉原事件』など。