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【公演評】宙組『オーシャンズ11』

真風涼帆と10人の仲間が金庫破りに挑む人気サスペンス・アクションが待望の再演

さかせがわ猫丸 フリーライター


拡大『オーシャンズ11』公演から、ダニー・オーシャン役の真風涼帆=岸隆子撮影

 宝塚宙組公演『オーシャンズ11』が、4月19日、宝塚大劇場で初日を迎えました。この作品はジョージ・クルーニー、ブラッド・ピットら豪華スターが共演した2002年公開(日本)の大ヒット映画をミュージカル化。宝塚では2011年に星組、2013年に花組で上演し、大好評を博しました。再演熱望の声も高かった名作が、105期生初舞台お披露目とともに、真風涼帆さん率いる宙組でよみがえります。

 ダニー・オーシャンとその仲間10人が巨大カジノの金庫破りに挑むサスペンス・アクションは、個性あふれる登場人物が目白押しで、それぞれの見せ場がたっぷりあるのも特徴です。

 リーダーとなるダニーには、もちろんトップスターの真風さん。渋いスーツを着こなし、チョイ悪オヤジな色気を漂わせる姿は、ダニーのイメージそのものでしょう。ダニーの親友ラスティー・ライアンを演じる芹香斗亜さんとは、実際の関係そのままの“相棒感”がたまりません。ダニーたちが狙う大物悪党テリー・ベネディクトには桜木みなとさん。金のためには手段をえらばない男を濃厚に演じ、新たな一面を見せています。

 トップ娘役の星風まどかさんはダニーの妻テス。罪ばかり犯す夫に愛想をつかしながらも、強く求められることで揺れる女心を大人っぽく表現していました。

 軽快な音楽とスピーディーな展開、大規模なイリュージョンまで、ミュージカルの醍醐味がこれでもかと詰め込まれた『オーシャンズ11』は、再演を重ねるごとにブラッシュアップされ人気も急上昇。この作品もまた、宝塚の財産の一つになったといえそうです。

アダルトなダニー役者の真風

拡大『オーシャンズ11』公演から、ダニー・オーシャン役の真風涼帆=岸隆子撮影

 天才詐欺師ダニー・オーシャン(真風)が仮釈放を迎えたその日、弁護士ニック・スタイン(凛城きら)がテス(星風)からの離婚届を届けにきたところから物語は始まります。テスを愛するダニーには受け入れがたい話でしたが、どうやらそこには悪名高きホテル王、テリー・ベネディクト(桜木)が絡むらしい。このまま黙っているはずがないダニーは、ある壮大な計画を思いつき――。

 真風さんの囚人服が一瞬にしてタキシードになり、ラスヴェガスの街をバックに男役群舞へと続く展開は、毎回、血沸き肉踊ります。桜木涼介さん振り付けのダンスがひときわかっこよくて「これぞ、オーシャンズ!」と冒頭からしびれてしまう。

 ダニーは人生の酸いも甘いも知り尽くした大人の男。柚希礼音さん、蘭寿とむさんに続く真風さんは、納得のダニー役者と言えるでしょう。どれだけテスから邪険にされても意に介さず、それどころかますます強引に迫る姿が憎らしくもセクシーで、困惑するテスに感情移入せずにはいられません。

 真風さんは星組初演時にライナス、新人公演ではダニーを演じていました。当時より男役のルックスは完成されていたものの、中身はまだまだ少年の香りが残り、ライナス役が似合っていましたが、あれから9年。円熟した男役となり、余裕たっぷりにダニーを演じる姿に、ずっと見守ってきたファンの皆様も感慨深いのではないでしょうか。

 ダニーの囚人服の胸に張ってある「0718」は真風さんの誕生日という粋な演出にもご注目ください。

◆公演情報◆
ミュージカル『オーシャンズ11』
OCEAN’S ELEVEN and all related characters and
elements are trademarks of and
(c) Warner Bros. Entertainment Inc.(s19)
2019年4月19日(金)~ 5月27日(月) 宝塚大劇場
2019年6月14日(金)~ 7月21日(日) 東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・演出:小池修一郎

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

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