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アイヌを観光資源化する前に先住権を保障すべきだ

アイヌの自治権が尊重されなければならない 

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

民族共生象徴空間拡大民族共生象徴空間(ウポポイ、北海道白老町)を俯瞰したイメージ図。右上が国立アイヌ民族博物館=文化庁提供

観光・商業資源化への危惧

 他に気になるのは、「民族共生象徴空間」の開設(後述)とともに、総じてアイヌを観光・商業資源化する傾向が強く出ていることである。

 この15年、日本では「観光立国」化をめざすキャンペーンがはられてきた。北海道も同様で、2018年、「北海道150年」を祝う記念行事において「民族共生象徴空間」事業に大金が投じられた(アイヌ文化関連事業の実に53.5%)。そして新法案では、この流れが強くおし出されている(第9条「民族共生象徴空間施設」、第10条第2項ハ「観光の振興その他の産業の振興に資する事業」)。

アイヌ民族博物館は同化政策を問うべきである ・・・ログインして読む
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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

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