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松本慎也&関戸博一インタビュー(下)

スタジオライフの歌を届けたい、スタジオライフが歌う意味を伝えたい

真名子陽子 ライター、エディター


松本慎也&関戸博一インタビュー(上)

先輩たちが受け入れて盛り立ててくれる

拡大松本慎也(右)と関戸博一=岩田えり撮影

――フロル役に3年目の伊藤清之さんがキャスティングされています。

松本:僕が初めてエーリクを演じたのが3年目だったんですよね。

関戸:マツシンはメインポジションを若い頃からやっていて、倉田さんにぼろくそに言われながらがんばっている姿を見てきたので、今のキヨ(伊藤)はそれに重なる部分がありますね。役にまだ追いつかないところはありますけど、一生懸命やっています。すごく楽しみだなと思いますし、この段階でこういう役をやれるっていうのはどれだけ役者にとっての成長につながるか。

――それもスタジオライフの良いところですよね。

関戸:普通、3年目なんてなかなか舞台も出してもらえないですからね。大変だとは思うけど幸せだと思います。またそれを先輩たちが受け入れて盛り立ててくれますからね。

――同じフロル役をする松本さんは伊藤さんを見てどうですか?

松本:今、めちゃめちゃ苦しんでますね。

関戸:苦しんでるよね。

松本:もがきながらも探してるのがわかるんですよね。今は見守っている感じです。あまりたくさんの情報を伝えてもきっと追いつかないから、まずは倉田さんから受けた演出とダメ出しを消化するということが大事。倉田さんがキャスティングされているので、彼の中にきっとフロルの要素があると思うんです。そのキャラクターを見つけて、人と会話をして、人の言葉を聞いて、そして心が動けば絶対にその世界へ連れていってくれる作品なので、見守っていきたいですね。苦しんでいるのを目の前で見ながら、苦しんでいた昔の自分を思い出します。

関戸:マツシンのフロルがどんどん進化していくからね。

松本:ある程度、好きにやらせてもらおうかなと。先輩だし!(笑)

関戸:稽古の帰りにキヨが、自分のやりたいことをやるべきですよねって言うから、そうだよ、その通りだよって。彼のフロルを探しているところですし、せっかくだからマツシンのフロルとまったく違うフロルになった方がおもしろいよね。

松本:真似たとしてもまったく違うフロルになるしね。

拡大松本慎也=岩田えり撮影

関戸:そのフロルとマツシンのタダが組むのがおもしろいです。昔の(山本)芳樹さんとマツシンを見ているようで。

松本:そうだね。でも僕は芳樹さんより口出ししちゃうかな。

関戸:芳樹さんはついてこいというところがあるからね。

松本:相当ご迷惑をおかけしてきたと思うんですけど、怒られたことがまったくない。

関戸:イラッとしない人だよね。

松本:もちろん聞けば教えてくれるんですけど、気長に見守って稽古に付き合ってくださいました。

関戸:いろんなことが見えているはずなのに、口を出さずに付き合ってくださるという不思議なタイプの方で、先輩になったマツシンと当時の芳樹さんとはまた違うタイプの先輩だなと思います。マツシンは負けず嫌いで芯が強いので、芳樹さんにくらいついていくっていうのが良かったんじゃないかなと思いますね。キヨはある程度面倒を見てあげた方が良いタイプなので、マツシンとの組み合わせも合っていて良いコンビだなと思います。スタジオライフとしては良いタイミングで入団してきたなと思います。これも縁ですからね。

松本:今はこのくらい方向性を出してあげたら良いかなとか、この先まで言ってしまうと訳わからなくなってしまうからちょっとだけにしようとか、そういうことは考えます。僕たちも通ってきた道ですし、同じように壁にぶつかって先輩たちからアドバイスをもらってきました。先輩に言われたことをそのまま後輩に伝えていることもありますよ。

入団から観て下さっているお客さまに何か返せたら

拡大関戸博一=岩田えり撮影

――お二人は同期入団ですが、今回タダとフロルとして向き合います。

関戸:すごくありがたいですし楽しいです。同期だからできることがありますし、今までがっつり組むことがなかったので、このキャリアになって組ませてもらえるのは楽しみです。

松本:15年一緒にいるので、コミュニケーションをとるときにこれ以上入り込んだらいけないかなと悩むことがもうないんです。セッキ―(関戸)の半分くらいまで僕が被ってる感じです(笑)。一部でもあるんですよね。同期だからこそだせる呼吸があると思いますし、そういうタダとフロルを観ていただけると思います。

関戸:気恥ずかしさもないし、案外自然に組んでいます。15年目の今だからこその感覚があります。入団から観て下さっているお客さまには何か返せるものがあったら良いなと思います。

役者が歌う意味をちゃんと考えたい

――そして今回は音楽劇なんですよね。

関戸:エンターテインメントとして、音楽が入ると楽しくなるというのはもちろんありますが、セリフとセリフの間に曲が入ることによって、次のシーンの舞台上の温度は確実に上がるし、僕らの空気感も今までと違うものが生まれると思うんです。僕らが経験したことのない感情やテンション、セリフや感情の出方が生まれてくると思うので、お客さまもこれまでとは違う感覚が出てくるんじゃないかなという気がします。音楽が入ることで芝居が変わるんじゃないかなというのが楽しみですね。

松本:エネルギーですね。歌の持つ力ってすごいですから、その力を借りて、受け取ってもらうエネルギーとこちら側のエネルギーで新しい『11人いる!』にしたいと思います。

関戸:芝居の中で役として歌うということをちゃんとお見せしないといけませんし、ダブルキャストの歌の違いが如実に出るんじゃないかな。感情の乗せ方に個人差があっておもしろいんじゃないかなと思います。

松本:音楽劇なので、上手く歌おうとか上手く聞かせようというより、それぞれの思いを表現したいですし、役者が歌う意味をちゃんと考えないとね。

関戸:スタジオライフの歌を届けたいですし、スタジオライフが歌う意味を伝えたいですね!

◆公演情報◆
音楽劇『11人いる!』
東京:2019年5月18日(土)~6月2日(日)  あうるすぽっと
公式ホームページ
[スタッフ]
原作:萩尾望都 『11人いる!』((C)萩尾望都/小学館)
脚本・演出:倉田淳
[出演]
曽世海司、船戸慎士、関戸博一、松本慎也、宇佐見輝、若林健吾、千葉健玖、牛島祥太、伊藤清之、鈴木宏明/宮崎卓真(客演)、高尾直裕(客演)/藤原啓児

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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