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自動車「事故」続出、実現していない人と車の分離

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

事故現場を調べる千葉県警の捜査員=2019年4月23日午前9時30分、千葉県木更津市拡大軽自動車が小学生2人をはねた事故現場=2019年4月23日、千葉県木更津市

4月につづけておきた陰惨な「事故」

 すでに本年4月下旬、横断歩道上で痛ましい「事故」がつづけざまにおこり、無残にも子どもを含む何人もの命が奪われた。

 東京都池袋では高齢者の車が暴走し母と女児の2人が、神戸ではバスが赤信号の横断歩道に乗り入れ若者2人が、そして千葉県木更津では軽自動車が小学生2人をはね、そのうち1人が亡くなった。また札幌市で2台の車が衝突し、そのはずみで横断歩道を横断中の若者1人がまきこまれて亡くなった(いずれも4月下旬に発生)。そして、これらの事故で20人以上が負傷した。いずれも歩行者信号は青だったというのに、このような陰惨な「事故」が立てつづけにおきた。

 そして5月8日には、前記の事故が今度は歩道上でおき、2人の幼児が亡くなり、十数人が重軽傷を負った。そして5月9日の23時現在、1人は重体である。

 なるほどそれぞれの事故に固有の事情・背景があるだろう。高齢者の運転、信号見落とし、ブレーキとアクセルの踏み間違い、わき見運転・前方不注意等がとりざたされているが、今問うべきはそうした個別具体的なことではない。むしろ、運転が人を殺傷する可能性の高い行為であるにもかかわらず、一般に当然の権利のごとく見なされてきたという事実である。

「事故」は不可避であり殺傷につながる――同一平面の共有 ・・・ログインして読む
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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

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