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JUON&上口耕平インタビュー(上)

舞台『BACKBEAT』、ビートルズの曲は家でよく流れていた

真名子陽子 ライター、エディター


拡大JUON(右)と上口耕平=伊藤華織撮影

 ビートルズはもともと“5人編成だった”――初期のビートルズを描いた舞台『BACKBEAT』が5月25日に開幕します(6月9日まで、東京芸術劇場プレイハウス。その後、兵庫・愛知・神奈川公演あり)。本作は、ロックバンド、ザ・ビートルズの創成期、ハンブルクで巡業をしていた時代を描いた1994年公開の伝記映画『BACKBEAT』を、イワン・ソワトリー監督自ら舞台化した作品です。

 当初5人編成だったビートルズ。ベーシストで画家の才能もありメジャーデビュー前に21歳で亡くなったスチュアート・サトクリフと彼を敬愛していたジョン・レノン、そしてジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニー、ピート・ベスト。さらにスチュアートと恋に落ちる写真家のアストリッド・キルヒヘルも加わり、若者の青春群像劇を初期のビートルズサウンドに乗せて描いています。

 ポール・マッカートニー役を演じるFUZZY CONTROLのJUONさんとピート・ベスト役を演じる上口耕平さんにお話を伺いました。お二人とも運命のように出会ったこの作品への思いや、音楽とダンスの共通点、演劇界でもしたほうが良いこと!?など。JUONさんはセリフのある役について、ポール役を通して気づいたこと、上口さんはドラムへの憧れや芝居と音楽をどう繋ぐかなど、たっぷりと語ってくれました。

ビートルズは神様のような存在でもあるし、生活の一部でもある

拡大JUON=伊藤華織撮影

――誰もが知るビートルズを題材にした作品ですが、出演が決まったときのお気持ちを聞かせてください。

JUON:両親がミュージシャンでビートルズが大好きなんです。だから子どもの頃から聞かない日がなかったくらいビートルズは生活の一部でした。神様のような存在でもあるし、生活の一部でもあるし、ハモりや歌のニュアンスといった勉強はすべてビートルズから教えてもらいましたね。ギターを始めたのは10歳なんですが、最初にギターを持って演奏したのがビートルズの「Twist & Shout」をアコースティックで。だから、何か運命的なものを感じましたし、ビートルズの作品に関われるんだという喜びがすごく強かったです。

上口:最初が「Twist & Shout」っていうことがすごいですね。

JUON:3コードだけなんで、初心者にも簡単でわかりやすいし、楽しい曲ですよね。

上口:僕も両親が大ファンだったので、ビートルズの曲は家でよく流れていたんです。

JUON:そうなんだ!

上口:母親はビートルズをかけて掃除をしていましたから。だから今回のお話を聞いたときはびっくりしましたし、ドラムは触ったことがなかったのですがずっとやりたいと思っていて、少しレッスンに通っていたんです。そうしたら、僕の先生がこの作品で音楽サポートの先生としていらっしゃって。

――そうなんですね!

上口:今回の話をいただく前に個人的にレッスンをしてもらっていたんです。ファンイベントで、ドラムセットを持っていないからバケツを叩いてパフォーマンスをやったり……。

JUON:ストリートミュージシャンみたいだね!

上口:そう! そして、ちゃんとやってみたいなと思っていた矢先に『BACKBEAT』のお話をいただいて、しかもドラマーの役でこんなに早く人前で披露させていただける機会がくるなんてと。

JUON:不思議ですよね。前から準備していたかのように。

上口:周りの方は出演が決まっていたから始めたんでしょうって言うんですけど、違う!って(笑)。今年に入ってから音楽稽古が始まって、みんなで音を出してセッションして、そして今、本稽古で演奏しているけれど、ふと冷静に考えるとすごいことだなと思います。でも、一番すごいのはJUONさんで、右利きなのに左利きに変えて弾かれていますからね。

――そんなことができるんですね……。JUONさんはミュージシャンですが、セリフのある役として舞台に立たれるのは初めてなんですよね。

JUON:そうなんです。ここまでセリフがあるのは初めてなんです。『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(2012年)に出演していましたが、90%ギターで入っていましたから。これまで音楽をしながらも舞台やミュージカルをやってみたいという思いはずっとあったのですが、タイミングが合わなくて……初舞台がこの『BACKBEAT』で良かったあ!(笑)。まったく縁のない知らない役を演じるよりも、ビートルズは生活の一部だったのでニュアンスや世界観は理解しやすいですし、それを作品の中でできるのはうれしいですね。

音を表現する人はダンサーにとって憧れの存在

拡大上口耕平=伊藤華織撮影

――本格的にお稽古が始まっていかがですか?

JUON:初挑戦ということで期待もありますし不安もあります。稽古が始まって上口くんもいろいろアイデアをくれたりフォローしてくれたり。実際に頭ではわかっていて理解していても、いざ表現すると思うようにいかない。そういうわだかまりを初めて経験していて、演出の石丸さち子さんにご指導いただきながら、焦らずにゆっくり準備していこうと思っています。でもね、使ったことのない、言われたことのない、考えたことのない経験をさせてもらっているので、すごく快感なんです。普段しゃべっている言葉はこうやって伝えているんだなって改めて考えるようになりましたし、自分になかったものを得られています。すごく大切な時期だと思っているので、いろんなことを吸収していきたいですね。

――上口さんはミュージシャン役についていかがでしょうか?

上口:憧れていた役のひとつです。もとはダンサーでずっとダンスだけをやってきたのですが、音楽と踊りってすごく密接で、いかに音を取ってどこで遊ぶかを考えるので音をすごく聴くんですよね。だから、その音を表現する人はダンサーにとっては憧れなんです。ダンサーである自分たちからは音は出ない。奏でてくれる音に僕らは乗ってどれだけ追求するか、なので。まして踊っている僕らからしたら、リズム隊のパーカッションやドラムは一番要になる音なんです。だからドラムをしたかったんです。

――すごい、繋がりました!

上口:一番憧れているのはサミー・デイヴィスJr.さんで、伝説のエンターテイナーなんですけれども、その方のドラムがすごいんです。奏者として素晴らしいし、めちゃめちゃかっこよくて。だから新しいことをするというより、今まで憧れてずっと聴いていたことに挑戦するという感覚なんです。そして、やっぱり思った通りにいかないし悔しさばかりだし、JUONさんがおっしゃっていたように、頭ではわかっているんだけどついていけないところもまだまだあります。

JUON:反射神経がずば抜けた5人が集まったなと思いますよ。

――反射神経?

JUON:エンディングで、ジャーンジャンって合わせるところも外れたことがないです。そういう感覚はたとえ職種が違っていても、共通点がどこかにあってその共通点の集まるときが訪れるんですよね。

――表現者として何か通ずるものがあるんですね。

上口:そうだと思います。

JUON:GROOVEしていくということ、コミュニケーションですね。

――なんだかとても楽しそうです。

JUON&上口:楽しいです!

◆公演情報◆
舞台『BACKBEAT』
東京:2019年5月25日(土)~6月9日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
兵庫:2019年6月12日(水)~6月16日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
愛知:2019年6月19日(水) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
神奈川:2019年6月22日(土)~6月23日(日) やまと芸術文化ホール メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作:イアン・ソフトリー スティーヴン・ジェフリーズ
翻訳・演出:石丸さち子
音楽:森大輔
[出演]
戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平
夏子
鍛治直人、田村良太、西川大貴、工藤広夢
鈴木壮麻、尾藤イサオ
〈JUONプロフィル〉
2001年にソロデビューし、2003年にバンド「FUZZY CONTROL」を結成。2016年からはJUONとして、アルバムのリリースやワンマンライヴを開催するほか、B’zの稲葉浩志、スガシカオ、三代目J Soul Brothersの登坂広臣など、数々のミュージシャンのツアーサポートを務める。俳優としては2002年に映画『陽はまた昇る』でデビューし、2012年にはロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」にバントメンバーとして出演した。
JUON公式ホームページ
JUONオフィシャルinstagram
〈上口耕平プロフィル〉
2002年、TVドラマ『ごくせん』で俳優デビュー。高校時代から数々のダンスコンテストに入賞し、キレのあるダンスには定評がある。近年はミュージカルを中心にジャンルを問わず活躍中。主な舞台出演作品は、『ダンス オブ ヴァンパイア』、『ブルームーン』、『スカーレット・ピンパーネル』、New Musical『Color of Life』、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』、『Double flat』、『I Love A PIANO』、『パジャマゲーム』、『FUN HOME』、『DAY ZERO』、『タイタニック』、音楽劇『道 La Strada』、『僕のド・るーク』)など。
上口耕平オフィシャルファンサイト
上口耕平オフィシャルtwitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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