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JUON&上口耕平インタビュー(下)

舞台『BACKBEAT』、ビートルズがいなかったら今の音楽はない

真名子陽子 ライター、エディター


JUON&上口耕平インタビュー(上)

ジョンとポールにあったのは完全なるリスペクト

拡大JUON(右)と上口耕平=伊藤華織撮影

――今回、ビートルズの音楽が軸となっています。

JUON:ビートルズは音楽の教科書みたいなもので、ビートルズがいなかったら今の音楽は絶対にない。ビートルズが使っているアレンジや手法で2019年の新曲をいろんなアーティストが出しています。ここはあのビートルズのあの曲から取ってきてるんだってわかりますし、インスパイアされているものがいまだにたくさんあります。どんな大御所でもビートルズって永遠なんだと思います。

――すごく素朴な質問ですが、何が良いんでしょうか?

JUON:ビートルズですか?

上口:あっ、僕もJUONさんから聞きたかったです。

JUON:すべてが完璧なんですよね。羨ましいくらい。

――何が完璧なんです?

JUON:奇跡なんです、あの人たちが集まっていることが。ジョンとポールの2人が一緒のバンドにいることがおかしいんです。普通だったら個々でやるだろうと。

――それぞれに才能があるから?

JUON:そうです。自分が輝きたいから同じような奴は必要ない。ああいう天才が同じバンドに2人いるということは奇跡なんです。それはこの『BACKBEAT』にも描かれていますよね。二人がせめぎ合っていたことや、お互いの良い部分や違う部分を刺激し合って、ビートルズが出来上がっていく過程が。

――なるほど。では、その物語についてはいかがでしょうか?

上口:今となっては神のような存在なのに、10代のジョンやポールたちがわちゃわちゃと仲良く、時にぶつかりあいながら、嫉妬したり、遊んだり、いたずらしたりっていうことに、なんだろう……安心しました。生まれ持った才能があって天才だと思うんですけど、バンドをやるきっかけやカッコよくなりたいという感覚にすごく少年性を感じて。実際、生まれ育ったリバプールへ行ってきたのですが、田舎の静かな港町でずっとカモメが鳴いていて、ここで育ったんだなぁと思うと、人として安心しました。すごく音楽好きな人たちが集まっていて、色々感じることができました。でも、確固たる音楽への思いが10代のジョン・レノンにあったというのは、とてつもないなと思います。

JUON:さっきも言ったようにジョンとポールがいて刺激し合ったり、続けていくことって難しかったと思うんですよ。そこにあったのは完全なるリスペクトで、それがお互いの関係を支えていたと思うんですよね。

――完全なるリスペクトが10代でできるってすごいですね。

JUON:基本的に良い音楽を作りたいというところに軸を置きながら、みんなで音楽を創っていったことが正解になっていくんですよね。こいつとやりたいとか、こいつとは人間性が合うからということだけでやっていたら続かない。そこではないんですよね。ジョンもポールに会ったときに、こいつと一緒にいたらやばいかも!と純粋に思えて、自分だけが輝きたいと思うはずなのに、あいつがいたら俺も絶対に有名になれる……きっとそういう感じだったんじゃないかな。お互いに手出しできないものがあって、お互いにお前すごいなっていう思いがあって、そして一緒に奏でられたことがすごく大きかったんじゃないかなと思います。

ジョン・レノンの感覚で生きてきたのに…

拡大JUON=伊藤華織撮影
――JUONさんはポール・マッカートニー役です。

JUON:両親がジョン・レノンが大好きだったので、ジョン・レノンのジョンをとってJUONと名前をつけたんです。だから僕はジョン・レノンの感覚で生きてきたところがあったのに、ポール・マッカートニーなんだあって(笑)。

(一同笑)

JUON:でも、自分でも不思議だったんですけれど、ポールはバンマス(バンドマスター)だったりアレンジをまとめたり、音楽のことしか考えていないところや、ちょっとせっかちで完璧主義なところがあるんですけど、僕もバンドやソロをやる中で結構そういう気質があったんですよ。今回の『BACKBEAT』でポールを知れば知るほど、僕にポールっぽいところがたくさんあって、ジョンの方が少ないんじゃないって。どんどんポールとの辻褄が合ってきたんです。スタジオの予約を取ったりマイクセッティングをしたり、ハーモニーではもうちょっと(音を)上とか言ったり。言いたいことをバシッと言うことなく、クオリティをひたすら求める気質があったんです。

――ポール役をやったことで気づいたんですね。

JUON:自分のことをちょっと知れました。ジョン・レノンだったのにポール・マッカートニーだったんだなって。友達にもポールをやるって言ったら、「すごくわかる、ポールっぽいもん」って。えーっ!?もっと早く言ってよって(笑)。

上口:若い時のジョンの写真がちょっとJUONさんに似ていて、最初に稽古場に入った時、ジョン・レノンだってホントに思ったくらい。だから最初にジョンのイメージがJUONさんに焼き付いたんだけど、一緒にお芝居を創っていくとやっぱりポールなんです。ちゃんとバンドのことを考えているし、そしてまっすぐなところも。

JUON:この作品を通して自分を知ることになるとは思っていなかったですね。

上口:でも、最高じゃないですか!? 中身がポールで見た目がジョン、ひとりビートルズ!

JUON:ちょっと待ってよ~~それは寂しいから一緒にやろうぜ!

(一同笑)

ドラムという楽器に助けてもら っている

拡大上口耕平=伊藤華織撮影

――ピート役はいかがですか?

上口:この役をやらせていただくのはすごく大きなチャレンジです。他のビートルズのメンバーには歴史があっていろんな話や映像もいっぱい残っていますが、ピートに関しての資料はすごく少なくて、かつあまりしゃべらない方だったんですよね。すごく優しくて知性もあったらしいんだけど如何せん情報が少ない。この作品でもそういう部分を引き継いでいて、あまり多くを語らずにポイントで発していくので、人物を想像しながら、ビートルズの中でどういう存在だったのかを考えると同時に、今回のメンバーの中ではどういう存在になっていくのかというところを考えています。その中の関係性が見えてくると、この作品の中のピート・ベストが浮かび上がってくると思いますので、僕1人が役について考えすぎるのは違うかなと感じています。みんなを動かしていくというより、みんなの関係性の中で築いていく役なのでとても楽しみです。

――とても冷静にビートルズというバンドを見ているのでしょうか?

上口:トゥーマッチな発言もしちゃうんですけど、わざとじゃなくて本気でそう思っていて、信念が強すぎたのかもしれない。だからこそみんなに溶け込まなかったし馴染めなかったのかもしれない……その辺を今探っています。ただ決してエゴを貫きたいとか目立ちたいとか、わがままだったわけではない気がするんですよね。とても純粋にバンドのことを思っていたんじゃないかなと思います。

JUON:みんなで音楽を合わせていると、個々の楽器のポジションでその人を理解できるんです。ドラムをひたすら叩くのはピートっぽいですし、ひたすらまっすぐ進んで行く性格はドラムに合ってると思います。

上口:役作りにおいてドラムという楽器に助けてもらっている部分はすごくあります。

◆公演情報◆
舞台『BACKBEAT』
東京:2019年5月25日(土)~6月9日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
兵庫:2019年6月12日(水)~6月16日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
愛知:2019年6月19日(水) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
神奈川:2019年6月22日(土)~6月23日(日) やまと芸術文化ホール メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作:イアン・ソフトリー スティーヴン・ジェフリーズ
翻訳・演出:石丸さち子
音楽:森大輔
[出演]
戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平
夏子
鍛治直人、田村良太、西川大貴、工藤広夢
鈴木壮麻、尾藤イサオ
〈JUONプロフィル〉
2001年にソロデビューし、2003年にバンド「FUZZY CONTROL」を結成。2016年からはJUONとして、アルバムのリリースやワンマンライヴを開催するほか、B’zの稲葉浩志、スガシカオ、三代目J Soul Brothersの登坂広臣など、数々のミュージシャンのツアーサポートを務める。俳優としては2002年に映画『陽はまた昇る』でデビューし、2012年にはロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」にバントメンバーとして出演した。
JUON公式ホームページ
JUONオフィシャルinstagram
〈上口耕平プロフィル〉
2002年、TVドラマ『ごくせん』で俳優デビュー。高校時代から数々のダンスコンテストに入賞し、キレのあるダンスには定評がある。近年はミュージカルを中心にジャンルを問わず活躍中。主な舞台出演作品は、『ダンス オブ ヴァンパイア』、『ブルームーン』、『スカーレット・ピンパーネル』、New Musical『Color of Life』、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』、『Double flat』、『I Love A PIANO』、『パジャマゲーム』、『FUN HOME』、『DAY ZERO』、『タイタニック』、音楽劇『道 La Strada』、『僕のド・るーク』)など。
上口耕平オフィシャルファンサイト
上口耕平オフィシャルtwitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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