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岡田敬二&姿月あさと取材会レポート

『吉﨑憲治&岡田敬二ロマンチックコンサート』、OGと現役生徒で約40曲を披露

真名子陽子 ライター、エディター


拡大岡田敬二(右)と姿月あさと=岸隆子撮影

 宝塚歌劇団音楽家の吉﨑憲治さんが活動60周年、演出家の岡田敬二さんが活動55周年を迎えます。そのお二人が共に生み続けたロマンチック・レビューシリーズのナンバーや懐かしの名曲で綴る『吉﨑憲治&岡田敬二ロマンチックコンサート』が、6月1日・2日に梅田芸術劇場メインホールで上演されます。出演はお二人の作品にゆかりのある宝塚歌劇団卒業生が集結。また現役タカラジェンヌの専科・美穂圭子、悠真倫、愛月ひかるが特別出演します。

 岡田敬二さんと岡田さんが創った名作『シトラスの風』の初演を飾った初代宙組トップスターの姿月あさとさんの取材会が行われ、作品への意気込みを語りました。
※吉崎憲治の「吉」は、上部が「土」

ミュージカルが市民権を得ることができてうれしい

拡大岡田敬二=岸隆子撮影

岡田:今年で演出家生活55年になりまして、同僚で友人でもある吉﨑先生はなんと60年になります。この機会にぜひコンサートをということで今回の公演が決まりました。私の作品や谷正純先生、小池修一郎先生の作品で歌われた吉﨑先生の曲を、かつてトップスターだった方々や現役の生徒が40曲くらい歌うコンサートになります。その中で姿月あさとさんはご存知のように宝塚歌劇第5の組として誕生した宙組の初代トップスターで、歴代のスターの中でも飛び抜けた歌声の持ち主です。現役時代から頼りになるスターで今回も楽しみにしています。

姿月:宝塚を受験する前にたくさんのレビューを観て育ち、そして宝塚歌劇を目指すきっかけになったのは岡田先生の作品です。在団中にはお披露目公演の『シトラスの風』や『ザ・レビュー'99』でお世話になりました。

岡田:昨年、宙組で再演した『シトラスの風』ではオブザーバーとして稽古場に来てくれました。何日も来てくれて、真風(涼帆)は姿月さんの指導を何時間も受け、宙組の生徒も感動していました。微に入り細に入り指導してくださってとてもありがたかったです。

姿月:そういうご縁もあり、そして今も岡田先生の作品が愛され続けていて、今回こういう形で皆さんと歌うことができてうれしく思っています。

――岡田先生は宝塚生活50年で宝塚歌劇の歴史の半分ですね。

岡田:半世紀にわたってミュージカルやレビューの世界に携わっています。演出助手として宝塚に入団した頃は、日本ではまだまだミュージカルという言葉も知られていませんでした。私はミュージカルの演出家になりたくて、当時ミュージカルを上演していたのは唯一宝塚でしたから大学を卒業して宝塚に入りました。それがいつの間にかレビューの専門家になりまして、夢のような50年でした。その間に、ストレートプレイが主流だった日本でミュージカルが市民権を得ることができて、とてもうれしく思っています。

歌いながら帰ってもらいたいというポリシーがある

拡大姿月あさと=岸隆子撮影

――今回のコンサートではテーマなどはあるんでしょうか?

岡田:基本はスターの方たちに熱唱していただいて、観てくださる方に吉﨑先生と私の作品を思い出していただければうれしいです。とにかく素敵な曲ばかりです。スローな曲やアップテンポな曲、ソロでだけではなく所々にステージングも入ります。和物もあり洋物もあり、レビューと同じように緩急をつけた構成を考えていて、バラエティに富んだ作品を創ります。私は大衆演劇の演出家ですので、楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

――姿月さんは歌われる曲は決まっているんですか?

姿月:『シトラスの風』の主題歌と「夢アモール」、『エルドラード』と『ザ・レビュー'99』の主題歌などを歌わせていただきます。また、受験前に観ていたスターさんも出演されますので、どなたが何の主題歌を歌われるのかとワクワクしています。自分が歌っていなくても歌詞を覚えていて歌えますので、ファンの皆さんもつい口ずさんでしまうようなコンサートになるんじゃないかなと思います。

岡田:僕が創ったロマンティック・レビューは20本なんですが、僕と吉﨑先生の作品の主題歌はタイトルばかりコールするんです(笑)。それは、お客さまに歌いながら帰ってもらいたいというのが1つのポリシーとしてあるんですよね。メロディが綺麗で簡単な歌詞で……同じ言葉を連呼しています。

姿月:花のみちを歌いながら帰るのは私の思い出です。

――岡田先生から見た吉﨑先生の作品の魅力は?

岡田:私の処女作から50年間、吉﨑先生以外にテーマソングを創ってもらったことはありません。ほかの曲はいろんな方に助けてもらっていますが、テーマソングは浮気をしないでずっと吉﨑先生に創ってもらっています。コンビとして50年間やるというのはお互いの信頼関係もありますし、吉﨑先生のメロディの美しさに敬意を払っています。やはり宝塚の曲はメロディが美しくないとダメですよね。思い出す有名なミュージカル作品に『オペラ座の怪人』『メリー・ポピンズ』『南太平洋』などがありますが、すべてメロディが綺麗です。宝塚が105年続いているのは、吉﨑先生はじめメロディメーカーがたくさんいたからで、だから今でも若い方には美しいメロディを書きなさいと言っています。

姿月:やはり美しいメロディはお二人の独特なハーモニーだと思いますし、レビューは宝塚の財産だと思っています。また、岡田先生は娘役を綺麗に見せてくださる魔術師でもいらっしゃいます。

岡田:いつも言うんですけど、放っておいても宝塚の男役は皆かっこいいんです。いかに娘役を綺麗に見せるかということがレビューの基本でもあるんですね。だから私の作品には娘役が出るシーンが多いんですね。

自分にできることがあればやってあげたい

拡大岡田敬二(右)と姿月あさと=岸隆子撮影

――昨年、宙組の稽古場にオブザーバーとして参加されたとのこと。雰囲気が変わったと思う所や一緒だなと思う所などはありましたか?

姿月:今、寿つかささんが組長になってくださっていますが、宙組創設時からいる唯一の現役の方なんです。「明日へのエナジー!」を昔と同じ位置で彼女が踊っているのを見て、ここまでがんばってくれたんだなと、感慨深い想いでいっぱいでした。今の組には今の組の良さがあります。お稽古場へ行ったとき、一生懸命何かを学ぼうとする熱い眼差しにジーンとして、自分にできることがあればやってあげたいと思いました。

岡田:小川理事長が姿月さんに稽古場に来てもらったらどうでしょうと提案をしてくださって、真風から下級生に至るまで真摯に細かいディティールを教えてくださいました。それが宝塚の上級生と下級生の良さだと思います。「明日のエナジー」の場面なんて本当に大変なんです。でも、お客さまの前でその大変さは見せられないから稽古場ではがんばれって言うんですね。そういうがんばりや熱中するところが宝塚の良さで、宙組ができた時は姿月さんを先頭にそれを見せてくれましたし、昨年は真風を中心に団結しようという思いがありました。そういう一生懸命さや律儀さ、精一杯やっている姿がお客さまに伝わるといいなと思います。

姿月:吉﨑先生と岡田先生のロマンチックな時間を私たちも味わうと思いますが、お客さまも今しか味わえないとても素敵なコンサートになると思います。OGと現役の方と一緒にできる夢の時間を楽しみしています。

岡田:よろしくお願いいたします。

◆公演情報◆
『吉﨑憲治&岡田敬二ロマンチックコンサート』
2019年6月1日(土)~6月2日(日) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
構成・演出:岡田敬二
作曲・編曲・音楽監督:吉﨑憲治
[出演]
瀬戸内美八、剣幸、紫苑ゆう、杜けあき、南風舞、こだま愛
涼風真世、姿月あさと、朝海ひかる、大和悠河、実咲凜音 ほか
<宝塚歌劇団 特別出演(専科)>美穂圭子、悠真倫、愛月ひかる
※剣幸、姿月あさとは6/2のみ、涼風真世は6/1のみの出演となります。

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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