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「正義」の日本、「強者」の韓国

日本で25年、韓国で24年暮らした私。日本人と韓国人の違いについて書かねば!

ミン・ヨンチ ミュージシャン 韓国伝統音楽家

suns07butterfly/shutterstock.com

日本で25年、韓国で24年

 今年で、日本生活25年、韓国生活24年になりました。

 半分半分です。友達も半分半分。こんなに半分半分両国で生活した人間も、あまりいないと思うので、そろそろね、このことについて書かなくてはと思っていました。

 日本人と韓国人の違いについて。

 何が違うか。

 日本、韓国は、どちらも黄色人種だし、その中でもよく似ているので、それが良くも悪くもややこしい。

 韓国での学生の時代。日本からの留学生達だけで、イテウォンや東大門、南大門のような観光地に行って、売り子に、何語で声をかけられるか、よく遊んだものだ。

 ある子は日本語で声かけられるが、ある子は韓国語で声かけられたりすると、染まったねえ!とか言ったり。ある子は、フィリピン語のような言葉で声かけられたり、なんでやねん!!って。

 とにかく、よく似ていると思う。

 でもね、違いはあります。

 何十年もこの2国を見続けた結果、私が思う差は何かというと、日本は小さいころから、正義と悪を意識すると思うのです。正しい事と、やってはいけないこと。たとえ、建前だけになっていても、これが正義だ!ということは強い。

 でも、韓国は、正義より強者の方が強い。強者が正義となってしまう。だから、常に弱者と強者の関係を意識するような気がする。

 両方の国で暮らし、友達も多い僕が思うことだから、間違いない。

 日本が正義と悪というのは、日本人には、小さい時からそばにあったヒーローや時代劇。スカッとするのが、人々に根づいている。ウルトラマンや仮面ライダー、水戸黄門や、遠山の金さんなど、正義が悪に勝って、スカーーッと完結します。今のドラマや映画もそんな作品が多いですよね。

 でも、韓国は、韓流で日本によく輸出されているメロドラマもあるが、実際は強者と弱者を描いたドラマや映画が多い。自分の子どもを見ても、子ども向け漫画には、正義が悪を成敗するというのはあまりないような。

 今回のカンヌ国際映画祭でも長編コンペティション部門の最高賞パルムドールに、韓国のポン・ジュノ監督の「パラサイト」が選ばれましたが、内容は、韓国社会の貧富の格差を主題にした作品だ(こちら参照)。

 遠山の金さん!……そう、「遠山の金さん」で思い出したが、大阪のいわゆる韓国人学校「金剛学園」にいた頃、何十校も参加する大阪市全体のブラスバンドの合宿に出場した。

 出席を取る担当の先生がいて、「○○の山田さん。」「○○の鈴木さん。」と呼びますよね。○○というのは学校名。

 で、我が大阪韓国人学校「金剛学園」の番になると、「金剛の金さん」とかで始まって、まず会場が爆笑!! 「遠山の金さん」を思い出すのでしょう。

 「金剛の高(こう)さん」、「金剛の朴(ボク)さん・・・」

 「金剛の……?(洪が読めない)」 担当の先生、また言い直して、「洪水のコウさん!」

 大爆笑!!

 「金剛の……?(夫が読めない)」「おっとさん!」

 極めつけは、「金剛の……?(卞)金剛の……下に……点さん!」やて。

「正義と悪」「弱者と強者」は根本的に違う

Chintung Lee/shutterstock.com
 話は戻って、 韓国の強者と弱者というのは、権力者とそうでない人、金持ちと平民という関係性ですね。

 社会自体がこんな概念で成り立っていて、潜在的にも納得し、そしてそのような雰囲気に諦めているようにも感じる。

 なんで、ヒーロー物とか見てなかったの?

 と言われれば、日本のアニメが禁止されていた時期などもあったりで、簡単には見られなかったみたいだ。

 だから、高校生の時に、銀河鉄道999って最後どうなったの?って、よく聞かれた。

 韓国では銀河鉄道999を放送時、日本文化禁止が流行って、途中で放送を中断したらしい。

 またまた話がズレたので、また戻って、韓国は弱者と強者。

 映画もドラマも弁護士モノや、刑事もの、裁判物が多いかな。この国の状況を、知っていたら相当面白い内容。

 実際の大きな事件をモチーフにした脚本が多く、何か月前に観た、국가부도의 날(国家倒産の日)というIMFにお世話になるまでのストーリーの映画、それそれは大変面白かった。

 日本もこんなんたくさん作ったらいいのに……。

 この、日本の正義と悪。韓国の弱者と強者。

 この両者の関係は、似ているが、根本的に違う。

 この社会構造や、認識がお互いの身に、心に沁みついているものだから、両国間での話し合いで、うまくいかない場合が多いんじゃないかなあ。

 だから、通訳も難しい。

 だいたい、大事な現場の通訳って本当に難しいんです。全く同じに翻訳できる言葉なんてそんなに多くなく、漢字語も両国で意味が違ったりするし、ニュアンスが全然違うものを、訳して伝えなくてはいけないのですから、本当に大変で大切です。

 私でもたまにテレビなんかで通訳の声が聞こえたら、間違ってるなあ、って思ったりするのが多々あります。

 1回私に通訳任してみ! 両国のその現場を明るくして、そして平和的会談にしてあげるから!

どこかで、誰かだけが、得をしている

 最近、ちょっと、日韓関係の悪いニュースがあまり目立たなくなってきたと思っていたら、韓国では、アイドルたちが、悪い事をやっていたり、日本では、車の運転事故のニュースが目立ってる。非常に悲しく切なくどうしようもなくなる事件が続いていますよね。

 けど、なんかこれらにも裏があるような気がする。

 韓国は、今までは、なんでもなかったアイドルたちが、急にお金ができたので起業をし、そこで裏ビジネスをしてたとかしないとか。

 そんなん、えらい政治家や、大企業達も裏でやってることだし。もっと大きなことも取り上げようよ。

 日本の運転事故も、事故は報道しなければいけないと思うが、けどなぜ集中して報道するのか。たぶんね、トップ同士で、操ってるんですよ。

 だって、トップも、ひとりの人間でしょ。

 自分や親族に何か不都合があったり、あとは何か利益があったりすると操りたくなるでしょう。絶対ダメなことだけど。

 で、偶然かな、このニュースが盛んな時期、重要法案を通すとか、政治家たちが何をやっているかは、国民たちは知ることができない。

 GDPの75%が10財閥で占められている韓国では、庶民が少しでも、成功しだすと、つぶしてくる。

 日本も、何年か前に東京都で、ディーゼル車を禁止した時期、ヨーロッパでは、クリーンディーゼルに力を入れていた。で、その時期、日本はハイブリッドに力を入れていた。ハイブリッドは日本の企業が儲かりますから。

 これも、偶然でしょうか。

Top Vector Studio/shutterstock.com

 で、思った!!

 最近日本では、新しいブレーキシステムや運転技術がある車を宣伝している、確かにいい装置だと思う。けど新車購入となると高額になる。

 そんな装置がついた高い高い、新車を年金暮らしの高齢者に買わせるより、アイ ハブ グッド アイデア!!

 今あるすべての車にも、その装置をつける、という方法もあるはず。

 そしてそれを国が補助をして、全車に装置義務を出せばいい。

 本当に国が、国民の安全を考えているのなら、そういう方向で技術開発(使用)はできないものなのか?

 日本の車検制度にもびっくり。

 韓国やアメリカでは、日本と車の検査や車検制度はほとんど 一緒ですが、経費はだいたい5千円くらいで済みます。本当ですよ。

 けど日本の車検は、何十万円かかるでしょ。

 だから、よく、車検があるから車買い替えようと思うんだ。とか言ってるけど、どういうこと?

 初めは何のことか分からなかったけど、そりゃそうですよね。

 お金が動くことは悪くないのですが、納得いかない。

 本当に嫌で、我慢ならないのが、どこかで、誰かだけが、得をしていること。

 日本はそれを見えないようにしている。見えない構造に慣れてしまっている。いや、市民も敢えて見ない方が楽なのか? 

責任の所在が見えない日本

 韓国は大統領から始まり、大企業があって、誰が、本当のボスかが分かる。つまり責任の所在が見える。大統領でさえ、国民の力で直接引きずりおろすことができる。「国家のトップを弾劾するなんて、みっともない」という日本の人がいるが、そこなんですよ。その考え方!

 日本はね、見えないんですよ。

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