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新選組吉村のトップとしてのあり方共鳴/望海風斗

【宝塚~朗らかに~】「壬生義士伝」で主演

日刊スポーツ新聞社・村上久美子


【日刊スポーツ・5月23日紙面(東京本社発行版)より】

拡大浅田次郎氏の原作小説をもとにした新選組隊士を演じる望海風斗(撮影・渦原淳)
 雪組トップ望海風斗(のぞみ・ふうと)は「壬生義士伝」「Music Revolution!」で、トップ就任本拠4作目、丸2年を迎える。芝居は、義と愛を貫いた新選組隊士を演じ、ぶれない生きざまに「トップとしてのあり方」に共鳴。役作りに励んでいる。兵庫・宝塚大劇場は5月31日~7月8日、東京宝塚劇場は7月26日~9月1日。

      ◇       ◇

 穏やかな人柄で、北辰一刀流の達人。危険な任務をいとわず、遂行した吉村貫一郎を演じる。「心の奥に潜む鬼の面が見えたときの怖さ、普段の優しさが逆に怖いかな」。南部藩に残した妻、家族を貧困から救おうと職務を遂行。愛ゆえに人を斬る矛盾も秘める。

 「大切な人の幸せを願い、守るために生きなきゃいけない。でも、斬る相手にも大切な人はいる。その『大切さ』を感じながら斬りたいと思います」

 今作は、浅田次郎氏の原作をもとにし、ドラマ化、映画化もされ、それぞれ渡辺謙、中井貴一が演じた。

 「演じる方によって、印象が違った。宝塚という枠にも選択肢があるんじゃないかと。(2人とも)偉大な俳優さんすぎて、新しい作品を作る気持ちで」

 原作も読み「ただ、心が震えた」と話す。台本を重ねて読み、さらに感情がたかぶった。

 「職務もまったく違うんですけど、自分の父親のことを思ったり…。こうやって(子を思い)働いてくれていたのかな…とか。一番近くにいる人を一番大切に思うことが、人としてあるべき姿なんじゃないかと」

 家族を守るため-まっすぐ進む主人公は、トップとして雪組を率いる自身の立場として理想のひとつとも言う。「吉村貫一郎みたいな人になれたら、トップとしてはすごくいいんじゃないかな」。切ない物語の中に、筋を通す主人公を表現すべく、役作りに励む。

 一転してショーは「心を解放して帰ってもらえれば」と言い、2本のバランスの良さを実感している。

 「久しぶりに、男役の黒えんびがあるので、楽しみに」。比類なき歌唱力と表現力で、昨年は「ファントム」を好演。トップ娘役真彩希帆との圧巻デュエットでも魅了した。「今回のデュエットもすぐ、これはいい! って思いました」。

 今公演中に就任丸2年を迎える。「私が前へ進めば、みんなもついてきてくれる」。組全体の成長も実感する。そんな中、同期の花組トップ明日海りおが退団を発表した。

 「さりげない会話の中で(退団を)言われた。『来年はタカスペにいない』って言われて、びっくりした」そうで、その瞬間は思わず涙した。

 「あれだけ長い期間、トップで走り続けてきて…。とても尊敬している。だから、ある意味ホッとしたというか…。命を削ってやってきたと思うので、心配だったから。寂しい気持ちは、すごく強いんですけど」

 公演すべての責を負うのがトップ。同じ立場に立ち、5年以上も君臨してきた同期には感服しかない。「明日海のお披露目公演後に組替えで。お披露目なのに(明日海が)私をサポートしてくれ、やりたいことにも付き合ってもらい、今思えば申し訳なかった」。同期ゆえの絆、感謝の思いが胸中を占める。

 「しっかり(雪組へ)見送ってくれたので、その分を返したい」。最後まで全力支援。そして、より一層、望海自身が輝くことが、明日海への“恩返し”にもなる。

◆幕末ロマン「壬生義士伝」(脚本・演出=石田昌也) 浅田次郎氏の同名ベストセラー小説をもとに、02年にドラマ化、03年に映画化。ドラマは渡辺謙、映画は中井貴一が主人公の吉村貫一郎を演じた。貫一郎は、南部藩の下級武士に生まれ、貧困にあえぐ家族を救うべく、妻子を残して脱藩。新選組隊士となる。北辰一刀流免許皆伝の腕前を持ち、妻子のために斬り続けるが、新選組は鳥羽伏見の戦いで敗走。深手を負った貫一郎は南部藩蔵屋敷へ向かい、帰藩を請う。

◆ダイナミック・ショー「Music Revolution!」(作・演出=中村一徳) ジャズ、ロック、ラテン、ポップス、クラシック…。それぞれの起源からをテーマに、「音楽」の美しさをダイナミックに表現する。

☆望海風斗(のぞみ・ふうと)10月19日、横浜市生まれ。03年入団。花組配属。09年「太王四神記」で新人初主演。12年「Victorian Jazz」でバウ初主演。14年「エリザベート」でルキーニ。同11月に雪組へ、17年7月に同組トップ。前作はあこがれの「ファントム」を圧巻の歌唱力で成功させた。身長169センチ。愛称「だいもん」「ふうと」「のぞ」。

「宝塚~朗らかに~」はニッカンスポーツ・コムに連載中です。

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