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ドミンゴの遊び心が生んだ手のひらの上の妖精

秘話で綴るクラシック演奏家の素顔(1)「私の中にはアイデアが詰まっている」

伊熊よし子 音楽ジャーナリスト・音楽評論家

拡大LeDarArt/shutterstock.com

こぼれ話、取材秘話を書きます

 長年、クラシックのアーティストにインタビューや取材を続け、新聞や音楽専門誌、一般誌、情報誌、WEBなどに記事を書いてきた。そうしたインタビューのなかで、とりわけ印象に残っている人、話の内容がおもしろい人、音楽と同様に素顔がとても興味深い人、演奏がいつまでも心に残るほどすばらしい人などを選び、35人のアーティストを1冊の本にまとめてみた。

 『35人の演奏家が語るクラシックの極意』(学研プラス)。偉大なる巨匠から中堅の実力派、これから大海原に漕ぎ出していくであろう未知なる魅力を秘めた新人までじっくり厳選し、長年インタビューで聞き込んできた話を演奏を交えながら紹介している。

 だが、インタビューや取材記事というのは、聞いた話のほんの一部しか書くことはできない。新聞や雑誌の場合は文字数が決まっており、ほとんどが新譜情報やコンサートについてなどに費やされる。取材のときにふと見せたアーティストの素顔などは記事として生かされることはなく、埋もれたままの状態になってしまう。

 もったいない……。

 そこで、「論座」で、単行本に書くことができなかったアーティストのこぼれ話、取材秘話に焦点を当て、その素顔や隠れた魅力などを何人か紹介していくことにした。まずは、偉大なる歌手、プラシド・ドミンゴだ。


筆者

伊熊よし子

伊熊よし子(いくま・よしこ) 音楽ジャーナリスト・音楽評論家

東京音楽大学卒業。レコード会社勤務、ピアノ専門誌「ショパン」編集長を経て、1989年フリーに。クラシック音楽をより幅広い人々に聴いてほしいとの考えから、音楽専門誌だけでなく、新聞、一般誌、情報誌、WEBなどにも記事を執筆。アーティストのインタビューの仕事も多い。近著に『35人の演奏家が語るクラシックの極意』(学研プラス)。その他、『クラシック貴人変人』(エー・ジー出版)、『北欧の音の詩人 グリーグを愛す』(ショパン)、『図説 ショパン〈ふくろうの本〉』(河出書房新社)、『伊熊よし子のおいしい音楽案内―パリに魅せられ、グラナダに酔う』(PHP新書)、『クラシックはおいしい アーティスト・レシピ』(芸術新聞社)、『たどりつく力 フジコ・ヘミング』(幻冬舎)など著書多数。http://yoshikoikuma.jp/

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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