勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
怒りや悲しみを知恵に変換しなければ子供は救えない
そこには、多くの国民やマスコミが一時的に怒ったり悲しんだりするものの、結局は悲劇を“消費”しておしまいにするという背景があると思います。
5月1日の令和改元で世間やマスコミがお祭り騒ぎをしていたように、今回の登戸の事件も、次の「お祭り」が到来すれば、人々の記憶からすぐ消え失せていくに違いありません。まさに「一喜一憂」という言葉がぴったりで、国を挙げて効果的な政策を行い、常にアップデートしようという議論につながっていかないのです。
つまり、「失敗」から何も学べていないのです。世間もマスコミも政府も、ビジネスの世界では基本中の基本である「PDCA」(※Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する手法)を回せていないのです。このように全体を俯瞰していると、単発の事件や事故以上に、明らかな課題をいつまでも解決出来ない「社会の無能な体質」のほうに私は絶望感を覚えます。
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