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川崎殺傷「1人で死ねば」と言っても誰も救えない

社会は多様な人の活躍で事件の傷を癒していく

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

臨時の保護者会を前に、カリタス学園の法人本部に入る保護者たち。児童と連れた姿もあった=2019年5月28日拡大被害に遭ったカリタス学園の本部に入る保護者たち=2019年5月28日

「他人を殺すなよ! そしてお前も死ぬなよ!」

 藤田氏の記事を読み間違えた人々はおそらく、「死にたいなら一人で死ね」と思っている自分の感情を否定されたように捉えたために、「被害者に思いを馳せた私の感情をなぜ否定するのだ! お前は加害者の味方なのだな!」と認知をしたのだと思われます。

 以前、エキサイトニュースの記事「クソリプ学入門〜ネットにたくさんいる「悪意メガネ」をかけた人たち〜」でも書きましたが、悪意で事実が見えなくなり、書いてもいないことに非難が集中するのは、ネット社会ではよくある現象です。災害時にフェイクニュースが出回りやすいのと同様に、今回は特にセンセーショナルな事件だったため、この手のバッシングが続発したのだと思います。

 ですが、この手のネット上のコンフリクト(衝突)が、被害者へのケアや再発防止等に何の役に立つというのでしょうか? 前稿でも触れましたが、「死にたいなら一人で死ね」と言ったところで、拡大自殺を考慮に入れている人は「はい、そうします」とはなりません。そして、怒りの矛先を藤田氏にぶつけたところで、連続殺人事件が起こる芽を抱え続けたこの社会は何も変わりません。

 私たちがやるべきことは

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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