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湖月わたる、舞台生活30周年記念に2作品を上演

vol.1はドキュメンタリー、vol.2はSong&Dance

真名子陽子 ライター、エディター


拡大湖月わたる=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

 元宝塚歌劇団・星組トップスターの湖月わたるが今年、舞台生活30周年を迎え、それを記念して東京と関西で2作品を連続上演します。

 vol.1は『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』(7月5日~15日 DDD青山クロスシアター/7月19日~21日宝塚バウホール)。放送作家の竹村武司氏が脚本、若手演出家の永野拓也氏が作詞と演出を担当します。そのお二人が最初に湖月さんに会った時にとてもチャーミングな人という印象を持ったそう。恋する女性はチャーミングだから、湖月さんが恋をしてさらにチャーミングさが加わったらどうなるか??? とのことから「婚活」というテーマが選ばれ、そして、話しているときの湖月さんの仕草や人と対応している姿を見て「いじらしい婚活」という名前が付いたそうです。それがドキュメンタリー・ミュージカルとしてどう表現されるのでしょうか……!?

 vol.2『Song&Dance』(10月16日~10月17日草月ホール/10月22日ナレッジシアター)は、得意とするダイナミックなダンスと宝塚時代の楽曲や本人が選曲した名曲を歌い綴り、進化し続けている“湖月わたる”の魅力満載のオリジナルショーで、男役トップスター時代を彷彿させるダンディズムが見られます。またスペシャルゲストも登場! その2作品へかける意気込みと舞台生活30周年の思いを丁寧に語ってくれました。

いつも心がけている事は「挑戦」と「進化」

拡大湖月わたる=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

記者:まず、今回の作品への意気込みをお願いします。

湖月:平成元年に初舞台を踏ませていただき、この4月に舞台生活30周年を迎えさせていただきました。応援してくださっていますファンの皆さま、共演してくださった方や関係者の皆さまの温かいご支援のおかげと心から感謝しております。今回、舞台生活30周年記念公演として幸せなことにvol.1、vol.2とまったく異なる作品をさせていただきます。私が作品と向かい合う時にいつも心がけている事は「挑戦」と「進化」です。vol.1『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』は放送作家の竹村武司さんが脚本を、そして新進気鋭の演出家・永野拓也さんが作詞・演出をしてくださり、ドキュメンタリー・ミュージカルという私にとって未知の分野の挑戦となります。共演者には宝塚時代からゴールデンコンビと言っていただいています朝海ひかるさん。そして廣瀬友祐さんや迫田孝也さんはじめ、素晴らしい共演者の方々が集まってくださって、この作品に臨ませていただきます。作品の中で自分自身を演じるのは初めてですので、役者としてとても大きな挑戦になると思います。そして、自分自身を演じることで役者として何かつかみたいと思っています。

記者:vol.2『Song&Dance』についてはいかがですか?

湖月:vol.2『Song&Dance』は、30年の間に出会った懐かしい曲を歌い、踊ります。今、構成を考え中で、あれもやりたいこれもやりたいと考えているのがとても楽しいです。2月に10年ぶりに『ベルサイユのばら』のフェルゼンとアンドレ、そしてフィナーレナンバーをさせていただき、4月には『雪まろげ』を2年半振りに再演をさせていただきました。こうして過去に出演した作品に再び向きあうことで、当時とはまた違う感覚や新しい発見があるんです。今の進化した自分でお届けしたいといつも思っていますので、今回の『Song&Dance』では、懐かしい名曲の中に今の湖月わたるを感じていただけるような作品にしたいと思っています。

ザ・ドキュメント、密着していただいています!

拡大湖月わたる=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

記者:ドキュメンタリー・ミュージカルとは具体的にどんな作品になるんでしょう?

湖月:公演に向けて年明けから映像を撮り始めています。そのドキュメント映像を一つの流れとして舞台上でどう表現していくか……。

記者:街中で歩いているところや家の中で過ごしている湖月さんも撮影しているんですか?

湖月:そうなんです、撮ってくださっています。舞台前や舞台後の私も。

記者:じゃあ、湖月さんの素が見られんですね。

湖月:はい、密着していただいています! ザ・ドキュメントです。ただ作品について私もまだ皆さんと同じくらいわかっていないんです。竹村さんと永野さんお二人の才能がどう融合していくか、竹村さんが撮られる映像を永野さんがどのように舞台で表現するか。私自身も楽しみであり、すごく興味があります。

記者:撮った映像はすでに見ているんですか?

湖月:いえ、まだ見ていないんです。映像はやはり慣れていない世界で、テイクツーやテイクスリーがあるのかと思っていたら、本当にドキュメントでテイクワンで終わっちゃうんですよ(笑)。撮りなおしをしない方法で、その映像をどのように使ってどのように切り取って使われるのかは、私もまだわからない状態なんです。

記者:宝塚時代の映像とかは出ないんですか?

湖月:それは出ないんですよ。2019年のリアルな今の私です。

お二人の才能に身をゆだねてまっさらな気持ちで挑戦しよう

拡大湖月わたる=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

記者:テーマが婚活……。

湖月:笑っちゃいますよね! 竹村さんからこのテーマをいただいた時は本当に驚きましたし戸惑いましたし、不安もたくさんありました。でも、竹村さんが創られたドキュメンタリー・ドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」を見させていただいたときに、主人公が居酒屋でおじさんに怒られるんですけど、それに対して自分の心の葛藤や思いを顔を真っ赤にして吐露するシーンがあって、思わずもらい泣きしてしまったんです。それを見たときに素晴らしい作品を書かれる方だと思いました。そして、永野さんの舞台映像を見せていただいたのですが、役者さんが生き生きしていて、一人一人の心の葛藤や叫び、喜びがダイレクトに伝わってきました。そのお二人が私のことをチャーミングだとおっしゃってくださって、そのチャーミングさと舞台でのマニッシュな部分を表現できるテーマは恋愛なんじゃないかと。不安がっていた私に永野さんが、不安な気持ちはわかるけれども、このドキュメンタリー・ミュージカルに挑戦するということは役者にとって価値のあるものだし、観に来て下さったお客さまが湖月わたるを応援していこうと思える作品になりますので、ぜひ挑戦してみてくださいと、丁寧に熱く、しかも確信を持って語ってくださいました。そのお話を聞いて、お二人の才能に身をゆだねてまっさらな気持ちでこのテーマとドキュメンタリー・ミュージカルに挑戦させていただこうと決心して今に至っております。

記者:未知の世界ですね。

湖月:そうなんです。曲もすべてオリジナルで創っていただくのですが、ジャンルを問わず私らしいものをと言ってくださっています。歌って踊ってという舞台になると思いますが、どうなるか……私自身がハラハラドキドキしています。

記者:素の自分を見せることが恥ずかしかったりしますか?

湖月:そうですね。東京公演はDDD青山クロスシアター、関西はバウホールという密な空間でさせていただきます。永野さんからは、お芝居として嘘のつけない距離感だから、自分の納得いく言葉を発して欲しいと言ってくださっています。いろいろディスカッションをしながら、自分と向き合い、ありのままの自分を出せたらと思っています。

役者として何かひとつ脱皮できるきっかけに

拡大湖月わたる=水本克美〈桑島写真スタジオ〉撮影

記者:30周年を振り返っていかがですか?

湖月:あっという間でした! 宝塚には18年在籍させていただいて、それから12年経ったわけですけれども、宝塚を退団するときには今の自分、男役以外の自分をまったく想像できなくて…。女優デビュー作となった『DAMN YANKEES~くたばれ!ヤンキース』のローラとの出会いが、私を新たな道に誘ってくれました。そして女優としていろんな役に挑戦させていただきながら、宝塚歌劇100周年に向けてのOG公演などで再び男役に向き合う機会もいただいて、女性役でも男性役でも、常に進化する役者でありたいと思うきっかけになりましたし、ダンスレジェンドシリーズで海外の方とタンゴやフラメンコを本格的に踊らせていただいたこと、『CHICAGO THE MUSICAL』日本公演にアメリカカンパニーの一員としてヴェルマを演じ、宝塚OGバージョンでニューヨークの劇場に立てたことは、とても大きなことで貴重な経験でした。宝塚にいる間も無我夢中の18年でしたが、退団後も一作一作夢中に向き合っているうちに年数が経って、こうして30周年に、異なる企画の記念公演に挑戦させていただき、本当に幸せで感謝の気持ちでいっぱいです。最高のパフォーマンスをお届けできるように作品に向かって精進していきます。

記者:挑戦と進化とおっしゃっていましたが、今後どういう進化を遂げていきたいと思いますか?

湖月:ダンスも歌も演じることだと思っていて、その演じるというお芝居のことをもっともっと追求していきたいと思っていた時期に、このドキュメンタリー・ミュージカルに出会いました。自分自身を演じることで今までにない役との一体感や自分をさらけ出すということなど、役者として何かひとつ脱皮できるきっかけになるのではないかなと思っています。背中をおしてくださるスタッフやキャストの皆さんに身を委ねて殻を破りたいなと思っています。それを経験した私が懐かしい歌とダンスでどんな表現ができるのか。私自身も楽しみでですし、その進化した姿をvol.2の『Song&Dance』でお届けしたいなと思っています。

◆公演情報◆
○vol.1『ドキュメンタリー・ミュージカル わたるのいじらしい婚活』
東京:2019年7月5日(金)~7月15日(月) DDD青山クロスシアター
兵庫:2019年7月19日(金)~7月21日(日) 宝塚バウホール
[スタッフ]
脚本:竹村武司
作詞・演出:永野拓也(hicopro)
[出演]
湖月わたる、朝海ひかる、廣瀬友祐、迫田孝也
飯野めぐみ、可知寛子、高橋卓士、宮島朋宏
○vol.2『Song&Dance』
東京:2019年10月16日(水)~10月17日(木) 草月ホール
大阪:2019年10月22日(火・祝) グランフロント大阪 北館4階ナレッジシアター
[出演]
湖月わたる
〈スペシャルゲスト(日程別出演)〉紫苑ゆう、真琴つばさ、姿月あさと、水夏希
〈ダンサー〉三井聡

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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