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不幸を増幅させる「デジタル宗教戦争」から逃れよ

情報の偏食をしないリテラシーを身に付ける

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

13_Phunkodshutterstock拡大私たちはインターネットのツールに翻弄されているのかもしれない Photo: 13_Phunkod/Shutterstock

ネット上で頻発する「デジタル宗教戦争」

 たとえば、前述の登戸殺傷事件の記事でも書いたように、「潜在加害者への対策、事件の予防」を訴えた人に対して、「被害者へのケア以外はダメだ!」「被害者や遺族が見たくないものは一切表に出すな!」という意見が噴出していました。本来は「被害者へのケア」と「潜在加害者への対策、事件の予防」は両立するはずなのに、両者をゼロサム的に捉え、排他主義的に相手を否定してしまうわけです。

 私はこの現象を「デジタル宗教戦争」のようなものとして捉えています。「あなたはその宗教を信じているのね」「私はこの宗教を信じているよ」と、本来は多様な宗教は両立するはずなのに、「この宗教を信じないお前らはおかしい! 改心しろ!」と他人に押し付けることで宗教間の対立が生じるように、ネット上の彼らも十字架や錫杖(しゃくじょう)を武器に他人を攻撃しているわけです。

 この現象を俯瞰すると、人類が生み出したはずのインターネットという新しいツールを扱いこなすことができず、むしろそのツールに翻弄されている人類の姿が見えるのではないでしょうか?

 フラット化した世界を近視眼的なムラ社会的意識で見てしまうのも、1学級30人程度のような規模の集団で行っていたコミュニケーション方法を、全国津々浦々の人々相手にしてしまうのも、個人や個別集団の間に大きな情報の壁が存在していた過去の時代では起こり得なかった現象だと思うのです。

ネットは「不幸の倍増器」にもなり得る

 また、社会がフラット化した背景には、

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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